最終進化
奴の肉体にダメージが入った!
効いてる! 間違いなく効いている!
俺が与え続けたダメージは無駄では無かった。
このまま押し続けてやる!!!
「aaaaaaaaaaaaaaa!!!!」
「怒号も対策済みだ!」
こいつの耳元でする煩い音の対策も完璧だ。
現在俺は特殊なヘルメットを被っており、余りにも煩い騒音を自動的に音量を下げてくれる効果を持つ。
これのお陰で接近戦の立ち回りがかなり楽になった。
俺は周辺を跳び回りながら再び攻撃の機会を探る。
時折ショットガンを撃ち牽制しつつ常に場所を移動。マグロのように止まること無く走り続けていく。
「aaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」
「来るか!」
奴は一瞬の溜め後突進。
目では追えないスピード。だが俺は既にこいつのスピードを知っている!
事前に用意して置いた鉄の糸で用意した罠に奴がかかった。
本来であれば肉体がズタズタになる罠。
「aaaaaaaaaaaaaa!!!!!」
しかしこいつには効かない。
糸なんて気にせずただひたすらに突っ込んでくる。
だがこれも想定内!!!
「放火魔直伝…。二重トラップ!!!」
「aaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」
糸にピッシリ仕込まれた大量の油。
罠に引っかかりズタズタになった体を燃やしていくという恐ろしい技だ。
この技を当時ただの学生だった彼女が編み出したのだから末恐ろしい。
隊長ゾンビが火達磨になる。こいつはあの爆発の時咄嗟に仲間のゾンビ達を使って凌いでいたのを俺は見た。
だから火には弱い。少なくとも耐性はあれど無効にはできないと言うのが俺の予想だった。
事実。こいつの体は少しだが焼け始めた。
耐性はあれど無効はできない。俺の予想は的中したようだ。
「aaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」
「チイ!!!」
突然の咆哮! からの反応できない速度での銃撃!
刀で切り下ろしてもタイミングをずらした銃撃が来る。
俺は近くの車や瓦礫を盾にして凌ぐ。
それ以外に対処するすべは無い。避けようにも速すぎて必ずダメージを負ってしまう。
「ハァ…ハァ」
「aaaaaaaaaaaaaaaa!!!」
流石に体力が無尽蔵の格上相手にこの動きはキツイ。
だがやるしか無いのだ。心を奮い立たせ奴が投げてきた車を避ける。とうとうトラックまで投げ始めてきた。
こちらに集中しすぎて周囲の様子は見えていないが音である程度察しはつく。
まだ大丈夫だ。全員生きている。
戦闘音から察するにかなりの数ゾンビや特殊部隊を倒してくれている。お陰でこちらはフリー。
だがいずれ弾丸が切れる。そしたらもうアウト。物量で押し切られて終わりだ。
現在は突っ込んでくるゾンビ達より銃撃で遠距離攻撃ができる特殊部隊の奴らを優先して倒している。
今のうちに速くやらないと…。
心に焦りが生まれてくる。
落ち着け。落ち着け。
焦りこそ一番の天敵。ここで慌てたやつから負けていくんだ。
「aaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!」
心を落ち着かせ目の前に迫ってくる隊長ゾンビに全意識を集中させる。
そして今度は俺の方から。奴へと走り出していった。
まだ秘密兵器は使えない。あれは文字通り一発限りの最終奥義。更に使える状況も限られてくる。
今はまだダメージを蓄積させ、奴の行動を誘導する段階。
まだだ…。まだ我慢。慌てるなよ…。
「aaaaaaaaaaaaaaa!!!!」
奴が再び大剣を振り回し始める。
今度は小技を駆使し、確実にこちらを追い込んでいく。
だがその小技。全て俺は知っている。
こちらも小技で返そうと刀を強く握りしめた……その時だった。
「「「ア〜〜〜〜〜……………」」」
ゾンビ達が大きく声を出した後、隊長ゾンビ以外の全てのゾンビが停止した。
息が止まりそうになる。まずい…。本当に不味い!!!
「うおおおおおおお!!!!!」
俺は焦りからか致命傷を狙おうと欲張ってしまった。
本来は隙を突き指を狙うことで奴の攻撃力を低下させる狙いがあったのだ。……だが俺は頭を狙った。狙ってしまった。
「aaaaaaaaaaaaaa!!!!!」
幸い奴は小技ではなく大振りだ。
これならギリギリ躱しダメージを与えられる……。
「うおおおおお!?」
だがその時、地面から煙が現れる。
瓦礫の隙間に挟まっていた発煙筒が俺の顔を煙で覆ったのだ。
恐らく車を投げた際にこっそり取っていたのだろう。
手癖の悪いかつての仲間達が脳裏によぎる。だがそんな事を考えている暇はなかった。
「aaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!」
目の前に奴の大剣が迫る。
咄嗟に刀で刃を滑らそうとするが余りにも威力が違いすぎた。
刀は壊れ、体は吹き飛び、近くにあるビルに叩きつけられる。
「がああ!!!」
吐血した。頭も今のでクラクラする。骨も幾つか折れた。
だがまだ俺は動ける!!!
体を奮い立たせ立ち上がる。だが奴はこの絶好のチャンスに追撃をしてこなかった。
それどころか持っていた銃をリロードしている。
ヤバい…。何か来る!
不思議とそう感じた。そしてその予感は的中した。
「ア〜〜〜〜〜〜!」
「なに!?」
ゾンビだ。後ろから突如として現れたゾンビが俺にローキックを喰らわせてくる。
ギリギリ攻撃を避けた俺は、避けた勢いに任せてカウンターキックを決めゾンビの頭を吹き飛ばす。
「今の動き……。まさか!?」
ありえないことだ。だがそれしか考えられない。
俺の思考が最悪の答えに行き着く。
今の攻撃の仕方。間違いなく昔放火魔が痴漢を叩き潰した時に繰り出したローキックだ。
追加で口の中にライターを入れたら完璧だった。間違いなく放火魔の近接戦闘だった。
「「ア〜〜〜〜〜〜〜!」」
「また来たか!!!」
明らかに素人の肉体。だがその動きは一流のそれ!
俺はこちらに迫りくるゾンビ二体を返り討ちにし、改めて確信を持った。
「……こいつら! ヘレティックのメンバー。そのうち誰か一人の動きを再現されている!!! これがゾンビ共の最終進化か!!」
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