第14話本音
私は今村くんと会ったのは高校に進学してからです。見掛けたのは小学生低学年の頃、自宅からゴムボールを胸に抱え、走り去る彼を見たんです。
小学校は違うけど、同じ高校に通えたらと夢を見た。
進路も分からない。
勉強を頑張る、そんな現状を嫌々やっていた。
中学校を卒業して、高校が決まり、高校に入学したら、君を見掛けた。
小学生低学年の頃に見掛けた今村くんを見つけた。
君になら、初めてを捧げても良いと思った。
一年生の頃はどう話しかけて良いか分からずにずるずると季節が移ろい、次の春が来た。
ようやく、一緒のクラスになれて、話し掛けやすくなった。
一カ月は決心が着かずに、いた。
色々とあって、ようやく話せた。
好きだと、ひとこと、肝心な事を告げれずにいる。
難しくしているのは、自分だ。
ひとこと、言えたら楽で楽しくて、愛おしいと思える。
臆病になる。
セックスして、と言えるのに、現状より進展させたいのに言いたいひとことが言えない。
言えたら、ポジティブに変化するかもしれない。
臆病になって、過去を引き摺るようになる。
簡単だ、簡単なのに。
君を目の前にすると決心が揺らぐ。
臆病な私を嫌いにならないで、今村くん。
望んだ明日を迎えたいのに、こんなに難しい。
言わないと伝わらないのに……
「今村くん、好きだよ」
大人しいクラスメイトがカラダを売ろうとしてます 木場篤彦 @suu_204kiba
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