プロローグ

エグレディスト帝国帝都にある迷宮ダンジョンの最下層、つまり100階層にて大陸最強冒険者パーティーの一角である『消音足音サイレントステップ』がボスの間に到達していた。

ここで彼らを簡単に紹介しておこう。まずパーティーリーダーであるノムだ。彼の職業は、魔剣士であり魔力を剣に纏わせて戦っている。次はカルブだ。彼の職業は、付与術師であり後方から味方に付与魔術で味方を強化しており、骨折レベルまでは彼が回復させている。それからケルメロだ。彼女は俗に言うオレっ娘であり職業は狂戦士だ。そう狂っているのだ。彼女は狂暴化し、モンスターを殺し回る。ただし、隙だらけなため防御力はあまりない。そして最後にドムパグだ。彼の職業は重戦士であり、細身ではあるがドラゴンの物理攻撃も難なく防ぐことができる。


「カルブ、ケルメロ、ドムパグこの先にダンジョンマスターがいる。今までに攻略されたダンジョンのダンジョンマスターについて調べてきたが、99階層のボスモンスターとは強さが桁違いらしい。今まで以上に気を引き締めていくぞ!」


「そうだな、なんせここまできたのだ。苦労を無駄にせぬようにしなければな。」


「そうだぜ、なんせオレたちは帝国最強パーティーの『消音足音サイレントステップ』だ!俺たちがダンジョン攻略できなかったら一体全体誰が攻略できるっつう話だ。」


「そうそう、しかもダンジョン攻略したら歴史に名を刻むほどの偉業だ。そう思うと勝手に引き締まるってもんよ。」


「よし、開けるぞ。」


ノムが扉に軽く触れるとギギギギギギと音を立てながら扉が開き4人は入っていった。全員が入り終わるとゆっくりと扉が閉まった。そして、目の前に円卓と5脚の椅子が置いてあり、円卓の上には3段スタンドが置いてあり椅子の一脚に女が座っていた。


「皆様方、ごきげんよう。ここまでのお道でさぞ、お疲れでしょう?さあ、こちらに座り休憩しませんか?」


何故だろう?『消音足音サイレントステップ』のメンバーが彼女を見た途端、先ほどまでの気迫が無くなり、目の焦点が合っていないのは。


「3人とも休憩しようか。」


「同意する。」


「いいぜ!」


「万全の方がいいからな。」


「では、お誘いに乗らせてもらおう。」


そう言うと4人は歩き始め椅子に座った。そして、ダンジョン100階層ダンジョンマスターの間にてお茶会が始まった。


「皆様方のパーティー名を教えてくださいませんか?」


「私たちは、『消音足音サイレントステップ』といいます。そして、私はノム、職業は真剣士です。」


「我はカルブ、付与術師だ。」


「オレはケルメロだ!狂戦士だ!よろしくな!」


「私はドムパグ、重戦士です。」


「よろしくお願いします。ノム様、カルブ様、ケルメロ様、ドムパグ様。皆様方がご紹介されたのに私が言わないと言うのは失礼ですわね。私はキャルメルと申します。」


その瞬間ドルパグは静かにキャルメルの手を取った。


「初めまして、キャルメル様。私たちの用事が終わり次第、2人だけで話し合いませんか。」


キャルメルは勢いよくドルパグの手を取り返し歓喜の表情で言った。


「まあ!嬉しいですわ。私なんかと話し合ってくださるなんて!」


「ということは、私と話し合ってくださるのですか?」


「私こそお願いしますわ!ところで、用事とは何なのでしょうか?」


「はい、私たちはこれからダンジョンマスターを討伐し、ダンジョン攻略をしにいくのです。」


「まあ!ダンジョン攻略を!それはつまり、










私を殺すということで間違いありませんか?」


その瞬間、景色が変化した。石の壁でできていたダンジョンマスターの間から広大な墓地へと。そして、キャルメルから濃密な威圧感が発生した。


「私を殺せるほど自分たちの力に自信があるのですよね?さあ!早くその力をお見せください!」


「!お前がダンジョンマスターか!99階層のボスモンスターの数十倍も気配が強いじゃないか。これは、比べ物にならないとかいうレベルじゃないだろ。」


「ああ、討伐できるのは絶望的だな。」


「だけどよ、オレたちはこんな場面も乗り越えてきたんだ!今回も乗り越えるぞ!」


「「「おう!」」」


狂暴化ファルート


攻撃上昇インペタム』『防御上昇ディフェンシス』『自動回復アウトック』『速度上昇クレリタス


障壁オディーゼ


掛け声と共にケルメロは『狂暴化ファルート』を使い、カルブは味方全員に付与を、ドムパグは『障壁オディーゼ』を張り防御力を高めカルブのサポートに入った。ノムは背負っている鞘から剣を取り出し、魔力を纏わせた。


「ガアアアアアアア!!!!!」


「うおおおおおおおおお!!!」


ケルメロとノムが全力の一撃を振るった。しかし、彼らの攻撃はキャルメルに切り傷さえも負わせることはできなかった。


「これは期待はずれですわね。まさか私を殺そうと意気込んでいたのにこの程度とは。もう刈り取ってしまいましょうか。」


そう言うとキャルメルの手に彼女の背丈と同等の大きさの鎌が現れ、それをノムとケルメロめがけて振るった。すると、2人は糸が切れたかのように倒れた。


「2人とも!大丈夫か!?」


ドムパグが声を荒げたが、2人からは返事がなかった。


「返事をしないのは当然ですわ。私が魂を刈り取りましたもの。」


「魂を刈り取る女.........まさかお前は!七将八天魔『グ「その二つ名はやめてくれませんこと?」!」


いつのまにかキャルメルが目の前にまで移動し、ドムパグに向かって鎌を突きつけていた。


「ドムパグ!」


「私は『死神グリムリーパー』ではなく『吸血女王ヴァンパイアクイーン』でしてよ。それと、あなた方が私の正体を言うのは不愉快ですので私自ら改めて名乗らせてもらいますわ。」


「私は七将八天魔『吸血女王ヴァンパイアクイーンキャルメル』ですわ。以後、お見知りおきを。と、言ってもあなた方には死んでもらいますけれども。」


そう言うとキャルメルは一瞬で鎌を振るいドムパグの魂を刈り取ると、勢いそのままにカルブの魂も刈り取った。


「はあ、無駄な労力を使いましたわ。ですがこの程度でも冒険者の中では世界最高峰のレベルとのことですし、使ってあげましょうか。」


死霊操術ネクロマンシー


キャルメルが魔法を唱えるとノム達は立ち上がった。


「私が転移させますのであなた達は地上にて情報を集めてください。」


死霊として蘇ったノム達はキャルメルの命令に軽く頷いた。


転移テレポート


ノム達は音もなく静かに消え去った。


「それとあなたも私の茶番劇に付き合ってくれたことに感謝しますわ。」


キャルメルは何故かこちらの方を見ながらそう言った。何故?


「それは私があなたを捉えられているからでしてよ。逆に聞きたいのですが、それ以外にどのような理由があるのでしょうか?」


ま、まさか!そんなはずはない!何故、何故わかるんだ!?


「煩わしい!ちょっと静かにしてくださいますか!」


そう言いながら私に鎌を振るってきた。......ちょっと待て!やめr................


「あ、ついカッとなって魂も刈り取ってしまいましたわ。」















異空間にある書庫にてそこには、数札の本を開き魔法で宙に浮かばせている男がいた。ちなみに私、魂の容量が半分以下になっています。


「これ、死霊化してるってことは絶対キャルメルの仕業だろうなぁ。はぁー、みんないいなぁ。僕も久々に書庫の外に出ようかなぁ。」


ここで彼を紹介しておこう、彼は七将「僕のことは僕が言ってもいいかなぁ?ー」またかよ!?もういいよ!自分で言えや!


「ありがとうねぇ、じゃあいくよぉ。」


『僕はぁ、七将八天魔『生本ラウブックファスルモ』だよぉ。よろしくねぇ。」









あとがき

はい、ということで終わり方が雑になってしまいました。本当に申しわございませんでした!!!!!

それも全部キャルメルが悪いんです!魂の半分ほどを削り取られたせいで回復に専念しないといけなくなったためです!決してサボったって言うわけじゃないです!

で、この話はこのぐらいにしておいて、次回もまたプロローグです(多分)。お楽しみに!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魔の者 七将八天魔 遊び心 @taizaitobitoku

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ