第2話 飲んだくれて
「ふぅっー・・・」
飲み干したグラスをテーブルに置き、俺は息を吐いた。
六畳一間の部屋には万年床の周りに酒瓶や空き缶が転がっている。
典型的な風景、荒んだ暮らしが見えている。
『待っとるから・・・』
耳に残るアイツの声が響く。
「そやけど・・・」
力ない呟きが漏れる。
自分の不甲斐なさに泣きそうになる。
アイツを迎えたいのに。
アイツに会えない。
今の俺では、そう、駄目なのだ。
『待っとるからね・・・』
背中をギュッとした温もりは今も消えてはいない。
会いたい。
会いたい、よぉ・・・。
切ない気持ちを噛み締めながら。
俺はグラスに酒をつぎ足すのだった。
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