選び損ねた未来の先で|まだ引きずってる?“あの選択”の意味とは

【タイトル】

選び損ねた未来の先で


【登場人物】

ミナト(文系インテリ男子)

カイ(情熱的なリーダー)

ソウ(ツンデレ猫系男子)


【Scene 1:午後のカフェ・静寂の中】

(ミナトが窓の外を見つめながら、低くつぶやく)


ミナト「選ばなきゃよかった……」


カイ「は?またかよ、ミナト。今度はなんの話だ」


ミナト「……過去に戻れるなら、あの選択だけはしない」


カイ「また“重大っぽい雰囲気”出して。どうせ仕事の話だろ?転職、見送ったとか」


(そこにソウが現れる。アイスコーヒー片手に)


ソウ「うわ、出た。『悩めるインテリ王子』のため息劇場。何回目?」


ミナト(苦笑)「……君たちに話しても、どうせ笑われるだけだ」


カイ「その言い方されると逆に気になるんだが」


【Scene 2:ソウの占い】


ソウ「じゃあ占う?今日の“選ばなかった未来”を」


(ソウがタロットカードを取り出す。カードをめくる)


ソウ「ほら来た、『愚者(逆位置)』。踏み出せなかったバカのカード」


ミナト「……あのとき、僕は“最適解”を出せなかった。判断を遅らせた。それが全ての始まりだった」


カイ「転職どころじゃねえな、これ。お前、婚約破棄でもした?」


ソウ「まさか……実家の犬の名付け親になれなかったとか」


ミナト「……それはそれで、深刻だろ」


【Scene 3:もう一枚のカード・そして真相へ】


(ソウがもう一枚カードを引く。「運命の輪」)


ソウ「チャンスはあった。でも、お前が回さなかった。それだけの話だな」


カイ「……なあ、マジで何の話?」


ミナト(少し沈黙したのち、真顔で)


ミナト「正午を越えていた。レビューを比較し、提供時間、行列の長さ……あらゆる情報を精査した。でも、決められなかった」


カイ「……何を?」


ミナト「カレーか、ラーメンか」


(沈黙)


ソウ「………………」


カイ「はあああああああ!?」


ミナト「そしてどちらも売り切れた。昼休みは終わった。僕は、何も食べられなかった」


ソウ(ふきだしながら)「え?それ、運命の輪どころか、給食のベルじゃん。」


カイ「“人生の縮図”じゃなくて“昼飯の縮小”じゃねぇか」


【Scene 4:それでも残るもの】


ミナト「……でもな、完璧な選択を求めた結果、機会そのものを失った。僕の“選べなさ”が浮き彫りになった出来事だったんだ」


ソウ(少し真面目に)「まあ……そういうこともあるかもな」


カイ「……次は、最初に浮かんだやつでいけよ」


ミナト(少し笑う)「今日は、ラーメンでいい」


【エンディング・モノローグ(ミナト)】


ミナト(ナレーション)「誰かにとってはくだらないことでも、自分にとっては人生を映す縮図になる。君が次に選ぶ、ほんの小さな一歩が、未来を大きく変えるかもしれない」


(暖簾をくぐっていくミナトの後ろ姿)


――終――


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イケメン占い @Tricksterone

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