第27話良美、11才
あれから、数か月、船の転覆事故は起きていない。
「兄たん、遊ぼう。」
「いいよ。何して遊ぶ?」
「お馬さんごっこ!」
鈴木警部補は、馬になって良美は無邪気にはしゃいでる。
だが、突然、良美の様子がおかしくなる。
「うっ、、、。」
気づいた時には、良美が大きくなっていた。
服が破れた良美は裸。
鈴木警部補は目のやり場に困る。毛布を直ぐさま掛ける。
「どういうこと!?私は11才よ。さっきまで5才だったのに!」
鈴木警部補は良美は死んで生まれ変わったのだと説明した。
「私、化け物。」
「良美は化け物なんかじゃない!元の年齢に戻った時、何もかも分かるはずだ。」
良美はまだ幼い。泣き出してしまった。
鈴木警部補は良美をそっと抱きしめる。
「兄たんが付いてるから。」
冬子が買い物から帰ってきた。
ドサッ。
冬子はエコバッグを驚いて落とした。
「良美ちゃん、大きくなったのねっ。」
「お義母さん!グスッ。」
「泣くことないのよ。本来の良美ちゃんに戻るだけなんだなら。泣いても笑ってもこうして良美ちゃんが側にいてくれるだけで幸せよ。」
「本当?」
「ええ。」
冬子は優しく返答した。
「私、化け物じゃない?」
「良美ちゃんが化け物だったら、拓哉はゾンビよ!」
「母さん!」
それを聞いた良美は笑い出した。
「良美ちゃん、拓哉の幼い頃の服着て。今すぐ、お義母さん、良美ちゃんの服買ってくるから。」
「うん。」
冬子はまた直ぐに出掛けた。
「兄たん、私何で死んだの?」
「人々の命を救うために、自らを犠牲にしたんだよ。」
「私、そんなに偉い人じゃない。」
「今に分かるさ。」
「また声がする。11才おめでとうって気持ち悪い。」
「その声の持ち主には気を付けて。」
「うん。」
「また声がしたら、兄たんに直ぐに言って。」
「分かった。」
鈴木警部補は、どうして普通のOLにツタンカーメンは執着するのか不思議だった。それは、ずっと。たかだか、中学時代にツタンカーメンに憧れただけなのに。そんなの五万と居るはずなのに。
何か良美には他の者とは違う何かがあるとしてしか考えようがない。
こうして、生まれ変わって、急成長している良美の姿を目の当たりにしていると、良美が何か特別な存在に思えてならない。
数時間後、冬子がショッピングモールから帰って来た。
「良美ちゃんー!気に入るかしら。」
「わあ。可愛いい!お義母さん、ありがとう。」
「夕食にしましょうね。良美ちゃん。」
「はあい。」
「何、拓哉ボーッとしてるの?」
「何でもない。手伝うよ。母さん。」
「ありがとう。拓哉。」
11才になった良美は、鈴木警部補と冬子と暖かい食事を取った。
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