煙草と血と異能
wkwk-0057
第1話
とある一室。
その中には煙が充満しており白く煙たかった。
そんな部屋の中で椅子に座っている女性がいる。
目の下にはクマができ、口には煙草を加えていた。
髪はショートヘアで、服装はモノトーンなシャツに細身の黒パンツ
いかにもダウナー系だ。
するとそこに1本の電話が鳴り響く
「十番街路地にて、暴徒出現」
との連絡
女性は
「めんどくせ」
と呟き重そうな腰を上げ黒のジャケットを取り現場に行ったのだった。
現場に着くとそこには黒のフードを被った人物がナイフを振り回していた。
いつもの暴徒。
政府に不満を持った一般市民。
自分でも対抗出来ると思っている愚民。
それらを我々は暴徒と呼んでいる。
私は目の前の人物に近づく。
それに気づき奴は刃物をこちらに向け突進してくる。
私は両手をポケットに入れ異能を使う。
―――――――――――――――――
何が起きたか俺には分からなかった。そこにいたはずの
そして倒れていたのは俺だった。
後ろから彼女の声が聞こえる
「無謀だな。これ以上仕事を増やさないでくれ」
と。
俺は怒った。
誰のせいでこうなっている?全ては政府のせいだろう。
なのに何故俺たち市民が制圧されているんだ?
おかしいと思わないのか?彼女は。
「ハハッ……馬鹿が」
と俺が吐き捨てると煙が顔を覆い段々と意識が遠のいていったのだった。
―――――――――――――――――
私は意識を失った暴徒を通報し、現場を後にする。
薄暗い路地が時折月光で照らされる。
私はどうでもいい。ただ生きているだけ。
だから生きてろうが、死んでろうがどうでもいい
だけど政府が必要とするのなら私はそれに従う。
「はぁ……プリンでも買って帰ろ」
そう呟きコンビニを目指し歩を進めた。
帰宅し、プリンをスプーンですくう。
しっとりとした弾圧で口に吸い込まれて行く。
すると口の中でトロけるプリン
カラメルの味と卵の味が口の中いっぱいに溢れる。
その幸福感に浸り
目を瞑る
しっかり味わった所でもう一杯、一杯と口に運んでいき、いつの間にかからになった容器を台所に持って行き容器の中をゆすいで捨てた。
そのままベッドに寝転がり眠ったのだった
―――――――――――――――――
翌日
テレビで昨日のことが報道されていた。
【十番街路地にて暴徒、鎮圧】
と。
内容は以下の通りだ。
政府に不満を持った市民が十番街路地にてナイフを振り回し世の中の在り方を説いた。
異能力者により鎮圧
そしてアナウンサーが、
「このままでは行けない。政府よ。何をしているんだ。市民の声が聞こえないのか」
と怒りをあらわにしていた
だ。
「ごもっともだよな」
と思っていた言葉を零す。
私はテレビを見ながら煙草を手に取りライターで火をつけ一服したのだった
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