#3やっぱ再生回数って大事なんだ
僕は2試合目の参加者が集まるまでこのバトルロワイヤルがどういうものなのかを考えていた。
さっきの試合映像を見返すとどうやらスナイパーのようなもので撃たれたらしい。
いきなり一撃の重いスナイパーにやられるなんて運が悪かった。
でも、バトルロイヤル型FPSでスナイパーって華型だよね。
ショットガンとか、中距離のライフルとかと比べても段違いでかっこいい。
爽快感もものすごいしきっと人気の武器なのだろう。
そういえば、メニュー画面にショップっていう項目があったよね。
何があるんだろう?
気になった僕は、
「ショップを表示して。」
と言った。
「コマンドショップ表示。」
そう返ってきてショップの画面が表示された。
そこには食料や服など様々なものがあった。
生前のネットショップのような感じだ。
そして、画面右上にコインのマークがある。
おそらく所持金だろう。
ちなみに今の僕の所持金は10240コイン。
なんの数字なのだろう?
それにどうやって増やせばいいのだろう?
増やすのは何となくキル数に応じてとかそんな感じだと思うけど。
気になったので聞いてみた。
「コインはどうやって増やすの?」
「キル数に応じて増加します。1キル当たり500コインです。さらに、チャンピオンを獲得した場合10000コイン増加します。また、動画の再生回数やチャンネル登録者数に応じてコインが加算されます。1回の再生につき10コイン、1人のチャンネル登録につき100コインです。ただし、動画の再生によるコインの増加はプレイヤー名チーズにのみ発生します。」
なるほど。
どうやらキル数だけじゃなく動画の再生回数も影響するようだ。
このことは2人にも共有しておこう。
「2人ともメニュー画面のショップってとこを開いて。」
「これ、すごいじゃない。食料も服も化粧品もあえるじゃん。」
花は喜んでいる。
てか、化粧するんだ。
「でも、コインが0だぜ。どうすればいいんだ?」
アイが聞いてきた。
「どうやらキル数に応じてコインが増えるらしい。1人につき500コイン。チャンピオンを取ると10000コインだって。」
「それだったら次のバトルはアタシに行かせて。」
「いや、私が行ってやるよ。」
さっきまであんなに嫌がってたのに。
そんなにコインが欲しいのかよ。
「ちょっと待って。コインは動画の再生数とかチャンネル登録者数にも影響されるみたい。1回の再生で10コイン。1人のチャンネル登録で100コイン。ただ、これは僕にしか入らないから僕から2人に分配する必要があるんだ。」
「アタシ前からチーズ君ってかっこいいと思ってたのよね。こんなに可愛いアタシを創造できちゃうし、本当にすごい人だって思ってる。」
「私だってチーズにはいつも感謝してるぜ。それにチーズが私のことで頭がいっぱいだって知ってるんだからな。」
こいつら本当に調子いいよな。
「動画関連のコインは僕が管理する。基本的に2人には3割ずつ渡すつもり。ただ、今は僕しか戦闘に出ないって計画だったから4割ずつ渡す。」
「え〜。ケチ。アタシはあんたと違ってお金がかかるの。この可愛さを維持、発展させるのはそんなに簡単じゃないんだからね。」
なんか生きてるの女の子みたいなことを言ってる。
そんな設定つけたつもりないけど、ここはやっぱり現実でそのせいで2人に若干の変化があるのかも。
でも、今のところアイは動画の中のままだ。
「はあ、どうせ最初のうちは全然稼げないだろうからしばらくは我慢して。」
「え〜。」
ハナはものすごく不満そう。
「おい、ハナ。チーズのやり方に文句があるなら出ていけよ。私とチーズの2人でもこのチャンネルは成り立つんだ。」
アイは僕の味方をする。
本当に小物のような感じだ。
僕がつけた設定といっても、こんなふうにみると面白いと思ってしまう。
「あんた、今はチーズに取り入ろうってだけでしょ。どうせ後から文句言うんでしょ。あわよくばアタシのコインを自分のものにしたいんでしょ。ホントサイテー。」
「おいおい、勘違いするな。私はこのチャンネルの今後のことを考えて言ってるんだぜ。」
絶対嘘だ。
「2人とも落ち着いて。このチャンネルはこの3人がいて成り立つものだから。別に誰かを仲間外れにする気はないよ。」
「流石チーズ。このクズとは大違い。」
「クズはお前だろ。コイン欲しさにチーズのこと悪く言って、助けてもらったら当たり前みたいな反応して。」
珍しい。
アイが正論を言ってる。
もともと動画では何やかんやただのクズであるアイが素でボケだった。
ハナがこのキャラでツッコミの方が多いのは我ながら面白い設定だと思っていた。
「はいはい。早速昨日アップした動画の分のコインを渡すよ。」
10240コインの4割だから2人には4096コインずつ渡せばいいのか。
手元に残るのが2048コインってのはちょっと寂しい気がするけど、僕はこれから稼ぎに行ける。
「え〜。たったの4000コイン?これじゃおしゃれできない。」
何でおしゃれしようとしてんだよ。
当分は余裕ないって言ったよね。
「残念だけど、当分はこんな感じだと思うから食料だけ買うようにしてあとは貯めておいて。もしかしたらコインに他の使い道があるかもしれないし。」
「はーい。」
「参加人数が規定の数に達したためゲームを開始します。」
またどこからか声が聞こえた。
「ゲームが始まるみたい。それじゃあ行ってくるね。」
「いってらっしゃーい。」
「私の分まで稼いでこいよ。」
アイは去り際にそう言った。
本当にブレないな。
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