雨天の詩

メランコリック

雨天の詩

私には私の雨が降り

あなたにはあなたの雨が降り

互いの負う雨尽くたがうため

どうしたって輪郭煙り目を擦っては堕涙する

その堕涙巻き上げられ何処の雨冷やすのかと間抜けに心躍れば

彼方の人見届けられる訳もなく

手水舎の屋根斜めに下り 悪水に埋もれた


しかし暮雨見送る気にも置き去る気にもなれず

灰の畳延々と独歩し 恐々と溜まりの影に心押し付けておく

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雨天の詩 メランコリック @suicide232

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