【番外編】ルミア、空気を祝福しすぎる

「……皆さん。今、この空気に、感謝していますか?」


朝の食卓。パンをかじるレイガの手が止まった。


「え、空気?」


「はい。吸えるのって、奇跡だと思いませんか?」


ルミアは神々しく微笑みながら、窓を開けた。


「光を浴びたこの空気……とても、祝福されています……っ!」


彼女の周囲がほんのり光る。

ミオナがパンを吹き出した。


「ぶはっ! 空気祝福しちゃダメでしょ!? 吸いづらっ!」


「祝福っていうか、光りすぎて目がチカチカするんだけど……」

セリスが紅茶で目を洗う。


「やば……。映えるけど、ぜんぜん落ち着かない空間爆誕☆」

フィーネが窓辺でスマホを構えた。#朝から神域



そして午後。


ルミアは家電倉庫に向かっていた。


「空気……浄化……あっ! これは……!」


彼女の目に飛び込んできたのは、

旧式の空気清浄機(レイガの祖父が残した年代物)。


「これは……風を司り、埃を祓い、静けさを創る……聖遺物……!」


そしてなぜか、村の中央に設置。

光の魔法陣とともに、盛大に“開眼式”が執り行われた。


「やばい。空気清浄機が祭壇に……」

「なんでちゃんとセレモニーやってんのよ!?」

「ルミア、空気と結婚する気!?」


クローネ「空気清浄機:改修済。出力300%。聖域対応。」


「しれっと改造してるし!!」



やがて、村中の空気が……神々しすぎて呼吸しづらくなった。


「うっ……光が……肺に直接……」

「酸素が……ありがたすぎて重い……」


光で目がくらんだミオナが冷蔵庫に頭をぶつけた。


「レイガ〜〜〜〜!! なんとかして〜〜〜っ!!」



「ルミア、やりすぎだよ。空気は……ただの空気でいいんだよ」


レイガがそっと彼女の手を取った。


「でも……レイガも吸ってるんです。これを……」


「じゃあ……俺の吐いた空気、吸っていいよ」


「…………っ!!」


ルミアは静かに震えた。

そして、その場でしゃがみ込んで光を撒き散らしながら顔を真っ赤に染めた。


「レイガさんの……祝福……直送……」


「だれか止めてーーー!!!」



その後、空気清浄機は爆発し、

空気の神聖度は無事、日常レベルに戻ったという。

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