鴉瓜ルケ

時は流れた。近頃、蝶を見かけなくなった。村上は携帯ガイガーカウンターをリュックに詰めると玄関へ駆ける。もう持つ意味がなくなったそれは、彼にとって人間らしい行動を埋めるためのものだった。きっとこの世界には俺しか居ない。…そう考えると背筋に芋虫が這うような感覚がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

鴉瓜ルケ @karasuuri_ruke

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る