それにしたって変な紫

鴉瓜ルケ

自由律短歌集

釣って食べたいからイワシは買わない


カバンの中のテトリス


頑なにポイントカードは作らない


知らない虫の死骸が転がる


お弁当は明日だというに


街まで20分待ち時間は入らない


バス500m運転手も暇そうだ


ブタのカードに明日はない


空と消えてなくなれ


ろくろ回してネズミ講


夜がトンネルの出口を押し込んでいた


それにしたって変な紫


それは犬のエサなのかコーヒーなのか


瞬きで床を見送った


有線イヤホンをずっと信じてる俺を許してね


ほとんどの人間はごっこ遊びのごっこの意味を知らないまま死んでいく


折りたたみ傘上手く巻けなかったがカバーで見えなくする


疑わしい草触って確認してみたあぁこりゃどうもご丁寧に


りんごジュースの空パックがなっている街路樹こっちには紅茶だ

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それにしたって変な紫 鴉瓜ルケ @karasuuri_ruke

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