正言者と嘘言者
紫樻
第1話
*〈終幕〉開演
あの日、これまでにない暑さだった。今でも覚えてる。僕は喧嘩の後、人生を共に助け合おうと誓った親友を失った悲しみを……。
4月15日、僕はいつものようにテレビを見ていた。ずっとテレビを見ているわけには行かず、クラスの友達の家に行った。そこには、その友達と親友がいた。2人で何かしていた。おそらく何か作っているのだろうと僕は思った。
しかし、実際には違かった。何をしていたか聞いてみると、大事なものが、引っ掛かって取れなかったと言う。
僕は器用な方ではあるが細かいことは嫌いだ。仕方なく僕も参戦した。これが意外とあっさりと取れてしまった。しかしこの “大事なもの” が事件の始まりだった。
*無慈悲な物語
8月15日終戦記念日僕は家族と広島に行った。この日、僕は人生で初めて原爆ドームを見た。「 ー 無慈悲だ…」
と思わず言ってしまった。こんなにも今は平和なのにどうして… と僕は思った。それを見透かしたようにお父さんは、
「昔はね、力を他国に示さなければ国が最悪滅んでたんだよ。」と言っていた。確かにそうだ。支配されれば伝統的な文化や歴史が、塗り替えられてしまうかもしれない。
この日は、ホテルで1泊し、旅行を終えた。
11月15日祭りがあった。地区祭りだった。僕は行かなかった。でも親友は行った。僕が行かなかったのはしょうもない理由であり、楽しくなさそうだったからだ。友達や親友に聞いた所、やはり楽しくなかったと言っていた。
行かなくて正解だった。僕はいつも通りテレビを見た。
ニュースがやっていた。内容は、“通り魔殺人”だった。犯人は特定したものの、まだ逃走中。しかし気がかりなことに、名前,年齡,性別などは明かされなかった。被害者は、17歳高校生だ。僕は15歳。2歳年上の人が、殺された。
*無慈悲なる物語から事件発生
この事件から約半年。途中で犯人は捕まったが、犯人は二人組で、片方は、まだ捕まってない。今は7月終日。もうすぐ夏祭りがある。これはもう、親友と行く約束をしていた。気のせいだろうか、変な感じがする。 そして迎えた夏祭り。親友が、大事なものを無くしていた。来たところを戻ってみると、聞き込んでいる人がいた。ここで僕は、「帰ろうよ。変な感じがする。」といい、一緒に帰らせようとした。
僕が親友に、帰ろうとい言い張ると、親友は怒った。
「お前はそうやっていつもいつも変なことを言って、
誓言者になったつもりか?いいや違う。お前は嘘言者だ。
いつものその変なことにはウンザリなんだよ!」と言われて僕は考えようとした。そして次の瞬間、親友の腹に何かが刺さった。“大事なもの”のついた短い刃物だ。僕は急いで通報を周りの人に頼んだ。僕は布で傷口を押さえた。すぐ救急車が来てくれた。僕は付き添い人として救急車に乗り、心電図を確認しながら親友に話しかけた。「お前はまだ死なない絶対に!」そして親友が語りかけるようにし喋った。「あはは……そう…言って…もら…えて……嬉し…いよ……。でも……もう…駄目…なん…だ………。」そう言い終えると、心電図はピーと言う音を立てながら、一直線上になった。それが親友の最後の言葉であった。
警察は、親友を刺したやつを捕まえてくれた。しかし親友は、 逝ってしまった。
*変な感じの正体
後に衝撃の事実が判明した。犯人は、指名手配されていた、2人組通魔殺人の片方だった。僕は、多額の懸賞金をもらった。しかし、少しも嬉しくない。親友は助からなかったのだから。1週間後、お通夜と葬儀があった。僕は行きたくなかったが、行くしかなかった。
僕はあれから毎日お墓と仏壇に顔を合わせに行った。
“大事だったもの”と好きだったジュースのお供物を持って…。
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