パスタといえば「ペペロンチーノ」の筈だったのだけど、大騒ぎになったお話し!

Kojiro

第1話 全編

 僕はもっぱら自炊派で、結構自分で食事を作ります。


 なぜそうなったかというと、お酒が呑めないせいで、時折日本のレストランへ行ってみんなと同じようにお酒を呑むと、後で大変な思いをするからです。


 そんなことから頻繁に自炊をするようになりました。


 この間の土曜日は時間が無かったので、今日はパスタにしようということで「ペペロンチーノ」に決めました。


 冷蔵庫の中を見ると丁度玉ねぎと赤いパプリカがあったので、これでOK!


 あとハムかベーコンが無いかなあと思って探していると、ひどく変色したベーコンが出てきた。


 ちょっとヤバいかなァと思ったものの、ここが女性と男性の違いで、男性は棄てられない。


 賞味期限で食品を捨てる等は、男性には考えられない。良く炒めれば大丈夫と合理的に考えてしまう。


 という訳で、まずにんにくとベーコンをこんがり炒め始めた。それもしっかりと。


 するとやたら煙が出始めて、そのうちびっくりするくらい煙が立ち込めて、向こうが見えないくらいに白くなった。


「あれっ!」


 慌てて換気扇を廻したものの、もう手遅れ。


 その時火災報知機がけたたましく鳴り響いた。それもアパート中がひっくり返るくらいの大きい音で鳴り響く。


 「えっ!どうしよう!」と思いつつ火を止め窓を開け放ったものの、全く効果ナシ。


 そのうち今度は玄関のドアが激しく叩かれて、いきなり消火器を手にしたがっしりしたベトナム人警備員が二人入って来た。


 もうこちらは謝るしかなくて「ごめんなさい!」「ごめんなさい!」


 桜の樹を折ったのは僕ですと平謝り。


 危うく僕の部屋は、消火剤の泡まみれになるところであった。


 本当にヤレヤレである。


 まあ色んなことがある方が面白いような気もするが、パスタ一つ作るのにこれではちょっと困る。


 また一つベトナムへ来て勉強させて貰った。


 追伸:ペペロンチーノであるが、それから待つこと30分。煙の消えたところで性懲りも無く再び作り始め、その後無事に完成し、夕食となった。


 先の変色したベーコンも強く炒めたことで殺菌も完璧で、お腹の方も事なきを得たのである。本当にヤレヤレである。


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パスタといえば「ペペロンチーノ」の筈だったのだけど、大騒ぎになったお話し! Kojiro @vietnam

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