Lv.3話 掛け算の暴力
結論から言いうわ。正直困惑してる。大体一般的なゲームは経験値を積むことでレベルが【足し算】で上がっていくわよね。例えばレベル1に1を加算すれば2、また1を加えれば3、といった具合に。
初めてその特殊能力?が発覚したのは、Lv.3000あたりでレベリングを実行し終えた時だったわ。【Lv.×2倍UPしました。】という奇妙な表示を見たの。そして私のLvは、Lv.3000台から一気にLv.6000台になったわ。そう、あろうことかこのレベリングは【足し算】ではなく【掛け算】にシフトしたのよ。
璃華は騒然とし、戸惑った。それからは、レベリングを実行するたびに彼女のレベルは加速度的に上昇していく。
【レベルアップ Lv.1万9260】
Lvは遂に1万を突破した。
【レベルアップ Lv.38万5200】
Lvの数字が徐々に大きくなる。
【レベルアップ Lv.231万1200】
既に1回のレベリングで倍以上になっている。それでもレベルがカンストする気配はない。
【レベルアップ Lv.1617万8400】
「一、十、百、千・・・千万!?こんなレベル見たことないわ。」
【レベルアップ Lv.116億4844万8000】
「これは・・・100億?。意味が分からないわ。」
そして璃華はレベリングを実行しながら洞窟を散策し、奥で魔獣:凶獣王ベヒモスに遭遇した。見た目から分かる。多分普通なら即死級の相手だ。
璃華はこれまでの経験で培った経験と、持ち前のスキルでベヒモスに挑んだ。弱点を突き、巧妙な罠を仕掛け、時には逃げ惑いながら、
ということもなくベヒモスは一撃で跡形もなく木っ端微塵に吹き飛んだ。
当然、億超えのLvの前では無力である。そしてすかさずレベリングを実行し彼女の目の前に巨大な数字が踊った。
【Lv.×10倍UPしました。】
そして、その直後、璃華のステータスが表示された。
【西条璃華(さいじょうりっか)】
種族:人族
職業:お嬢様
Lv(レベル):1164億8448万0000
HP:Lv参照
MP:Lv参照
………………………
【Lv:1000億】
たった一日で、彼女は世界の誰も到達したことのないLvに到達したのだ。しかしこの世界には、まだ見ぬ強敵が、そして彼女のLvをさらに上げてくれるような巨大な存在が、きっとどこかにいるだろうと。璃華の1000億超えのLv無双が今始まろうとしていた。
【西条璃華(さいじょうりっか)】
現在・・・ Lv.1164億8448万0000
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