異世界レベリングお嬢様
@kotaiga
Lv.1話 レベル1
「今日こそはレベルカンストさせるわ」
放課後、西条璃華(さいじょうりっか)はスマホを片手に、人気RPGゲームの周回ダンジョンに潜っていた。ごく普通のお嬢様、17歳。趣味はゲームのレベリング。特技は集中すると周りが見えなくなること。璃華のステータス画面は、お小遣いを全ブッパした課金と日々の寝不足によって積み上げられた数値で埋め尽くされている。特に「Lv(レベル)」だけは、もはやカンスト寸前だった。
その日も、いつものようにボスモンスターをワンパンで葬り、ドロップアイテムを確認したその時だった。
ピカァアアアアッ!!!
突如として目の前に空間が出現、眩い光が放たれ、璃華の視界を覆い尽くした。
「ちょっと待って、なにこれ!?!?」
光が収まると、璃華は見慣れない場所に立っていた。薄暗い洞窟の中、そして目の前にはスライム……スライム!?
「ヒェッ!?」
モンスターが、なぜか目の前にいる。しかも、やけにヌルヌル。璃華は混乱しながらも、咄嗟にスマホを握りしめる。しかし、スマホは返事がない、ただの板切れのようだ。
その時、スライムが勢いよく襲いかかってきた。
「ちょ、待って!?本当に攻撃してくるの!?」
絶体絶命のピンチ。しかし、その瞬間、なぜか璃華の脳裏にゲームの経験値稼ぎの記憶がフラッシュバックした。
『そうよ、スキル!』
無我夢中で呪文を唱える。
「フレイム!!!!」
すると、璃華の手のひらから、炎の渦が吹き荒れた。ゴブリンは瞬く間に黒焦げになり、そして消滅した。璃華は呆然とした。
「…え、もしかして、私、異世界転移しちちゃったの…?」
そして、璃華の目の前に、半透明のウィンドウが現れた。
【西条璃華(さいじょうりっか)】
種族:人族
職業:お嬢様
Lv(レベル):1
HP:Lv参照
MP:Lv参照
腕力:Lvに応じて上昇
魔力:Lvに応じて上昇
防御:Lvに応じて上昇
精神:Lvに応じて上昇
俊敏:Lvに応じて上昇
幸運:Lvに応じて上昇
スキル:フレイム
ユニークスキル:【レベリング】
またウィンドウが現れこう書かれていた。
【ユニークスキル:レベリングを実行しますか?】
璃華は目を見開いた。
「え、どういうこと!?これはステータス!?ていうか、ユニークスキルのレベリングって何?」
璃華は恐る恐るレベリングを頭の中で実行と念じた。すると
【Lv.+1UPしました。】
普通のお嬢様だったはずの璃華は、異世界でとんでもない能力に目覚めてしまったことに気づく。
その日、異世界に一人の少女が爆誕した。彼女はまだ知らない。この世界が、彼女のLvの前ではあまりにも無力であることを。
「ユニークスキル:レベリングね。面白そうじゃない」
璃華の究極異世界レベリングライフが、今、幕を開けた。
【西条璃華(さいじょうりっか)】
現在・・・ Lv.1
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