『星降る森の召喚者』
@gptjdwz
第1話 『星降る森の召喚者』
目を開けると、そこは見知らぬ森だった。
空は紫がかった靄に覆われ、木々の間からはキラキラと光る粒子が舞い落ちている。まるで星が地上に降り注いでいるようだ。俺、佐藤悠斗、25歳、昨日まで東京の雑居ビルでSEとしてキーボードを叩いていたはずなのに。
「は? なにこれ、夢? VRゲームのバグ?」
周りを見回すと、足元には苔むした石畳が続き、遠くで鳥とも獣ともつかない不思議な鳴き声が響く。ポケットを探るが、スマホも財布もない。代わりに手に握られていたのは、見たことのない古びた本だった。革の表紙には銀色のルーン文字が刻まれ、開こうとすると指先にチリッと電気が走った。
「うわっ、なにこれ!?」
本がひとりでに開き、ページから青白い光が溢れ出す。光の中から、ふわっと浮かび上がる少女の声。
「ようこそ、選ばれし召喚者よ。わたくし、アステリア。この世界『ルミナリス』の導き手です」
目の前に現れたのは、銀髪に輝く瞳の少女。まるでアニメから飛び出してきたような、浮遊する精霊っぽい存在だ。
「え、召喚者? ルミナリス? ちょっと待て、俺、ただの社畜だぞ! 異世界転生とか、そういうの聞いてないんだけど!」
アステリアはクスッと笑い、優雅に手を振った。
「ふふ、心配無用です。あなたにはこの世界を救う力がある。ほら、その本――『星詠みの書』。あなたがこの世界に呼ばれた理由そのものですよ」
本を見下ろすと、ページには俺の名前が浮かび上がり、隣には「職業:星詠みの召喚者」と書かれている。
「星詠みって何? てか、俺、戦闘とか無理なんだけど。魔法とか使えるの?」
「その本があれば、星の力を借りてどんな存在でも召喚できます。魔獣、精霊、果ては神すらも。さあ、試してみますか?」
その瞬間、森の奥から地響きが聞こえてきた。木々が揺れ、黒い影が迫ってくる。
「試すって、待て! 何!? あのデカいドラゴンみたいなの!?」
アステリアはニヤリと笑い、俺の手を本に押し付けた。
「さあ、召喚者よ。星に願えば、道は開ける。最初の試練、受けて立ちなさい!」
『星降る森の召喚者』 @gptjdwz
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