弟子を夢見て
頑張るセフィーナ
【双神からの試験問題】
時おり降臨するアシュヴィン双神から、知識を授かり成長していくセフィーナとマリア。
既に弟子と認められているとは知らず、大学卒業までに双神を見分けようと頑張っていた。
「んー……ダスラ神!」
「残念。私はナーサティヤです。」
「えー、この前は当たったのに……。」
「確率は1/2ですからね。百発百中でなければ認められませんよ。」
クスクス笑う双神。
やはり見分けて欲しいという思いから、何も言わず付き合っている。
「では外れたところで勉強に移りましょうか。」
「これらは薬草を乾燥させた物ですが、見分けはつきますか?」
何種類もの薬草が目の前に置かれた。
「二人で相談しても良いですよ。」
唸る二人を見てナーサティヤが言った。
それならばと二人で考えるセフィーナとマリア。
「乾燥してるから難しいね……。」
「あ、でも……」
マリアが薬草をつまみ、セフィーナの鼻に近づけた。
「ん、この匂い……」
「ね?香りで分かりそうでしょう?」
「うん。えーと、これが──」
見た目と香りで薬草を見分けていく。
7年の知識がそれを可能としていた。
「それも正解です。」
「残りの1つが分かれば薬草の授業は卒業ですよ。」
「ほんと!?」
頷かれ、気合いを入れて最後の薬草に臨む。
ところが……
「えー……分からない……」
「私も分かりませんわ……」
分かり易いのから当てて来た二人が、最後の薬草でつまづいている。
二人の知識なら分かるはずなのにと、顔を見合わせる双神。
「おかしいですね……。貴女達なら分かるはずなんですが……。」
「でもこの香り……」
「初めて嗅ぐ香りのような……」
何度も確かめ、首を傾げ、唸っている。
見かねた双神が薬草を手に取り確かめた。
「これは……」
「失敗しましたね。」
ははっと苦笑する双神。
失敗と聞き、卒業は出来なかったと落ち込むセフィーナ達。
「二人とも、薬草の授業は卒業です。」
「おめでとう、セフィーナちゃん、マリアちゃん。」
パチパチと拍手され、戸惑う二人。
「どうして……?分からなかったのに……。」
「すみません。これ、天界の薬草だったんです。」
分からなくて当然だったと知り、ほっとする二人。
ほっとした後で歓喜した。
薬草の授業は無事卒業となり──
17歳にして、二人は薬草の全ての知識を身につけたのである。
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