僕らチートや異世界のファンタジーから現実世界を守る魔衛として生き残れるだろうか
藍螭
第1話 僕とファンタジー
思い返すのはこれといった特徴の無い生き方をして背負ったランドセルを下ろした事。斜に構えた考えを持ってはろくに勉強しないまま当代で家系潰そうとしているくらいだらけて生きてきた筈。
僕は散る桜に思いを馳せるような特別な思い出を持ったりせずに卒業後最後の児童生活を送って、フォ○トナイトでコミュニケーションを取るくらい周りに希薄に関係を持ち、XでクソリプしたりLINEで歳以上に見積もられて特別では無い諍いに一喜一憂してきたな。僕も、君たちの多くにも当てはまる様な毎日を送る僕から、これからの君たちに自己紹介をしよう。
僕の名前は洲原衛徒。君たちと違って今特別な生き方を送っていることを謝らせて貰うよ。死屍累々の惨劇の場で当事者となった経験も、自分が生き残った理由が蝶が飛んだから、くらいのめちゃくちゃな理由探しに頭を掻きむしったことも哲学ゾンビの一体になったみんなからしたら喉から手が出る程の体験なのかもしれない。まぁ、はっきり言えば嫌味...... だね。この僕の書き記す物語は特別な存在から世界の蓋然性を守る少年少女を忘れない為のメモみたいなモノだって事は断っておくよ。
そして最初にこの日は。よく覚えてるよ。
「わり、もう寝なだめっす。すまん」
「おう。またな。明日もランク走るからはやくおきろよ。」
「まってまって。明日は四月一日。学校。」
「あー。もうそんな時期か。やんなるやんなるなやんばるくいな。」
「あーねんまつ。じゃな。」
8時。それもジャスト。いつもいつもだったけど気にすることも無かったな。そうなんだ、僕はなぜか必ず夜は早く寝る。これだけは何故か決まっていた。
「う痛っ何?!」
月の明るい深夜に僕の頭が弾けたように響く様にすごい痛みに目が覚めた。時計は3時を示す。
寝ぼけ眼は明るい月を遮るクロークを差す。
僕の視界に見た人影はその邂逅が僕の生命を消さんとする事を手痛くイメージさせた。その時、それが何故かはすぐわかった。
ライフル銃。叫音は出る前、喉を劈き共鳴腔を破く。刹那声は出ないまま額は青に染まる。
窓を月光が照らしフードを被る人影が明らかに法治の外側から銃の口を空けている。
諦念は余地を無くまま、今際の出力が体を動かす。今、僕は当たりをまさぐる。まだ撃たれては無いようだが、人の命を軽く吹き飛ばせるその穴から僕へキツイ死の芳香を感じさせ、不意にその香りが脳天を突き抜けた。
そうだ。何故だろうか。はっきりイメージ出来ないが。どうしてか僕は今までの生き方にまだずっとずっと満足いってないんだよ、と思いが木霊する。
朔月と澄んだ大気にたなびく雲一つ。相対する相手への僕の目は怯え。今はそれと思考が駆け巡っている。
「ぇ……とあっ、銃。あの! 銃ってかっこいい…… かっこいいですよね!ほら僕銃って1度触って見たくて。というか最期と言うならほら、貴重な体験なんてやれるだけやりたいんですよ。後生の頼みですから!」
声一つ。今出した回答が響く。僕の考えた事ははっきり言ってソースは無い。今それがもっともな答えに思えただけだ。
明らかにハッタリで情けなくて涙が出る。だが涙を出したら僕の発言がでまかせなのが言葉の風味で出る。
「...... 」
窓を隔てて月天に衣はためく。衣服の中暗く、可否はその出目をだすまでに目が回る時間を感じた。時計は3時を指す。
万に一つ助かったかもと悔やむかもしれない。
僕は相手の出す答えに今全てを委ねるしかなかった。
「......銃って。良いよな。」
相手の答えはこうだった。
今、返答と共に予想外の人物の声で気づく。
まさかだった。こいつは同級生のカズ 倉田和明。やんちゃで厨二病だったがアウトローのツテなんて持ってまでこんな事するのか。否、ありえない。厨坊にすらなってないこいつが人を殺すなんてビビって出来るわけがない。月明かりに反射する窓には黒いシルエット。そして赤く揺らめく眼、瞳孔の黒と返り血が相互、反射している。
僕は相手の行動に怯えるよう、急いで部屋を出る。階段を降りてパジャマのまま裏窓からバレないように出る。
ごめん。今は、ごめんなさい。お母さん。父さん。
僕は家族を見捨てた。それでも生きなければと足を伸ばす。そうして林を抜ける時、異常な数の銃器が散乱する。その中で彼が残した拳銃を見つける。残弾の確認は出来ないが万一に備え引き金を引けば撃てるように準備する。
そうして林を一目散に走る。人の足取りが乱雑な音を出す。
当然、気づいた相手は音を頼りに僕を追う。でも僕は気付いてしまう。そうなんだ。僕の足は彼より遅い。林の競走だって彼は早い。僕は平均的だ。彼にいずれ追い抜かれるだろう。所詮僕は子供で相手は非道な兵器を向ける狂人だ。僕がただ可哀想だったとニュースが報じ町はライフル少年の逮捕に震えつつ安堵する。
僕は。
僕はまだ生きなければならないのにだ。そう、執着する。何故そんなにも生きたいって?そんなの簡単だよ。僕の齢は12で酸いも甘いも、の酸いの部分を喰んでしかないからだ。甘い思いや自身のなんと無い、これから追う筈の何かを見てみたいから。
だから足取りは藻掻く。藻掻く。急いてから回ろうともただ生きるため、足掻く。きっといつもよりも弱い力だったかもしれない。その感性のチリチリが弾け、僕は気付く。彼が大輪の月を背にしているのが見えた。それを逃せばこの刹那に次の可能性は無い。僕は今、シルエットと大きな月輪を背にして向かってくる相手へ無我夢中を引き絞る。外さない。外したら死ぬから、生きようとマトを定め引き金を引く。
「ブァ」
銃声よりもはっきりと相手の吐声を聞いた。
そして引き金にふらつく相手に僕は冷や汗を拭う。
「やっ……た。」
そのまま相手は蹲った。心の焦燥を散らすようにセロトニンを過剰させ、僕は肩が落ちる。僕の無我夢中は糸のように細い僕の命を繋ぎ止めた様だ。僕は何とか生き残った。
駆け巡るのはこの話。この場合。雑学として日本では正当防衛に銃を向けた事は入らない。でも。それでも世間も世論も僕を助けてくれると期待して。なんて無理だ。瞬間、切り替わった焦燥がバイアスへ迸り、眩み、目を掻き乱す。明日からの生活を思うと吐き気が込み上げてくる。呼吸が荒くなる。追って相手の持つ銃が僕にまだ危機を認識される。だから引き金をまた引き絞る事を咎めるため、僕は和明から銃を奪う。ライフルだ。
人の世の中のモノローグはここまで。
ここからがこの世界の話だよ。
始めようか。この世界へようこそ。
その銃。
全ての思考や脳の状態を、所詮飛沫よと吹き飛ばし、とたんに憧れと恍惚に頭を支配させる。
確か言ったな。銃へ憧れていると。ガッツリとハッタリ。その筈の言葉が僕の最後を飾る様、特別を感じた。林を一陣の風が吹き辺りの芥を舞わせる事すら僕の背中を押すように。
疑問符が浮かぶがどうでも良い。もう失った明日なんかを今更顧みずその引き金を引きたくなる衝動に駆られる。
その風吹く時、僕と和明を影が覆う。
「これは母ちゃん没収するからね。
あとはまかせなさい。」
「母さん......?」
母がこの血みどろの場を収めた?まぁ、時にそういう事があったとしよう。でも賢しい僕は分かる。何も状況は良くなってなんかいない。でも。でもそれでも僕は涙を流す。お母さんは僕を軽く抱きしめ、部屋へ返す。
そうして僕は家に帰り床に就く。時計は何故か3時を示し時間を進めていなかった。
朝起きると早朝というのに母は僕を呼び出す。朝早くから。
きっと今から僕の行く場所へ向かうんだ。
机には笑む母が居る。対面が席だとは理解できる。話し始めた事はおよそ有り得ない話。だけど僕の懐疑は無根拠に掻き消えてしまう。不思議だがね。あとに分かったんだ。きっとこれもあれのおかげだろう。
僕は思い違いをしていた事を思い知らされる。思えば昨夜から僕の周りの皆は異様な状態なのに。そして僕は僕の生き方と向き合う事になる。
相対の椅子へ座る。対面の座を横切るように春風が吹く。話が始まるよ。
「衛徒。今日の様な日が来る事、ずっと知らせないでごめんなさい。そしてわたしとお父さんが生きた生き方を生きそしてその世界で母からあなたに
「うん。」
煌めくのは目だった。なんでなのだろうか。それが例えば語った様な追って行きたかった物だとして、酷くモラルが無い。人が死ぬ想像が容易にできるそれが存在している事に煌めく目があるかよ。でも、昨日の夜を経てまだ信じられなかったことも今はわかる。
「お母ちゃんが生きた生き方は、たくさんの辛いことと皆が知らない裏側でずっと凄惨な怖い事を壊して封じて無かった事にする。簡単に言えばそんな生き方をあなたにしてもらう事になる。」
疑問符の言葉は出なかった。あった事とある事なのは納得よりさきに理解が出力された。
「あなたのやりたい事は今まで通り目指して、別の夢を目指すなら今の生き方を辞めても良い。それでもね。母ちゃんはこの生き方すごく楽しくて普通の生き方では知ることが出来ないファンタジーに満ち溢れた事は間違いなく事実だと思う。だから......」
「今からチュートリアルを始めます。」
そういうと春風吹く窓へ導かれる。科学的な形状をしていない加速器の付いたグライダー
とんちき具合は想像より斜め後方でしゅんとしたよ。正直。
低空で使うというのだよな。風が吹く。門出というのを祝うように見えたがそれは理解できない。具体的な異常はさすがに脳に不可解をインプットさせる。
「乗りなっ」
いやありえん。母ながらバカなのかかと思った。落ちるだろッ
「はい?母ちゃん何するの?何しろと?あの、何となく空気で前向きだったけど改めて言わせてよっ!話し始めから全く分からないんだけどッ!」
「乗れば分かるッ」
グイッと手を引くとそれに乗った僕は小高い丘となったそこから飛び立つ。
「なんこれ!なにこれどうやって動いてんのこれ!?」
「もうすぐ分かる!だから今は話を聞いておきな。昨日、かずあき君は腹に穴を開けたまま私から銃を奪いバイクに乗り逃げた!なのでとりあえず彼を探すから。」
「うえ?なんで?! 腹に穴が空いたまま小学生が大人からライフルを奪って逃げた? そんな!痛みで動けなくなる筈なのに。」
「そうなのよ。これからあなたがこの世界の裏側で戦う不思議なモノ。
名はファンタジーと言ってそれは細かいこと省くと危険で非科学的な私たちの敵だと思ってね。今回は銃がそれなの。」
「あっ!!」
なるほど。合点がいった!!ということはこのグライダーもそれなのか。合点がいった事がめちゃくちゃ多い。そして風に乗っているように見えない。吹きすさぶ風を横ぎり、歯向かい、それは進む。
「この銃は使用者の執着を吸い上げる事で銃自身が出来る事を増やす。観測世界から確定性を、執着をソースに引っ張ってきて力をより強く書き換える。いや。ここ、深くは教室で聞いてッ。難しいから。」
「なっ、学校?!ということは?もしかして転校?!」
「そう。転校!あと使った時には所持者の期待や望みに応じた強さにその銃は以前から強かったという事に現実を書き換える力にすると例えるわ。」
はっ?!転校?!あと何?いきなり説明されても分からない。いや小賢しいガキの自分は分かった気になってはいた。何となく、微妙に。いや。わからんかった筈かもしれん。分かった気にはなった。
「だから銃への執着が極限まで高まった彼に手負いながら奪われてしまったの。お母ちゃん。悔しいわ。」
悔しいと言うその顔はまるで悔しそうでは無かった。僕は危機感を持つ余裕も無かったし、観測世界や確定性って?
そうして木に降り立つとグライダーは4次元的にメカメカと畳まれ消えた。もうなんでもありか。
木に降り立つと張り込む事になる。今正直雑音が多すぎる。こんな木の中に居ても結果は得られる気がしない。それでも小高い丘の上、そよぐ風が僕の気持ちと好奇心を満たしているのが分かる。そして予想に反して昼過ぎに結果は出る事になる。
「聞こえた。」
その声と共にグライダーを出す。
「乗りなさいッ」
僕は急いで捕まる。風を切る。春風は僕の肌をこれでもかと優しく撫で、僕は一瞬これができるならやれるようになりたいと願った。
僕は家屋の空き地に彼らを見つける。だがそれは異様すぎる凄惨さを放っていた。額から銃弾が抜けている。
もうソイツより年上のヤンキー共数人。助からない。それも明らかに致命だがドンピシャすぎる。
「うぐっ」
母はあーあという顔をして僕の襟を掴み下降。グライダーの乗部を隠しつつ背面を相手に向けながら向かいの崖へ上昇し飛びうつって隠れる。空になったグライダーは背面を向けながら彼らを挟んだ対抗へ向けて落とす。
そういえば引き金の引き主は変わっていた。カズはおそらくもう死んでいると予測できる。今の使用者はイサオ 同級生のいじめられっ子小木イサオは周到にグライダー両翼に2発打つ。手応え無しを感じ取る彼は即座に迎撃体制を取ろうとするがもう僕の隣に母は居らず彼の姿勢は母が銃を奪う姿勢が出来ていた。
即座に頭突き、銃振り、膝けりぬき、銃縦振りの本命で奪われた。小木イサオは気絶した。刹那僕は彼が奪われる銃がありえないほどの非科学銃撃兵器に変わるのを見た。
走り寄る僕は感嘆符と疑問でいっぱいだ。
「さぁ。どうだったかい?お前はこんな敵と戦えるかい?」
聞かれた言葉に僕の思考プロセスは異様だと、常識に問われ続ける。それでも思った事がある。
はっきり言って僕はこんな敵に太刀打ち不可能だろう。相手は明らかにオートエイムよろしく必ず額を撃ち抜く能力らしきものを持って戦っていた。それでも僕はこの不思議で非科学的な隠された世界に魅せられていた。気づけば僕はでまかせとも取れる不可抗力の意地を口走った。
「僕は倒したい。僕はやってみたい。」
間を置かなかった返答は僕のこれから進む世界が決まっていたかのように背を押す。
「そうだね。なら君は立派な魔衛としてこれからたくさん戦っておいで。そして
いつでも辞めていいんだよ。」
「うんっ!」
昼過ぎの風の中歩いて帰る。そうして少し話を聞く。
彼は執着を絞り尽くされたのだという。
「今後彼はどうなるの?」
僕は不意に問う。
「あなたがこれからすぐに沢山目にする様な事を綺麗事で片付けるのは良くないから。言うわね。彼はこれから敵の存在。編纂者 呼びを″シャッフルズ″というものになる可能性を秘め、人では無いものとしてみなされ時期に修正処分。平たく言えば死刑となります。」
僕ははっきり言ってイサオともカズアキとも殆ど関わりもクラス被りも持たなかった。それでも重いはずの事実としてかれらは死んだのだ。
春の桜が景色を彩る年度の初めに僕はこの道を進み始めた。
僕はこの、死が普遍的だと見せつけられた世界に対して何故かワクワクしている。倫理や常識が自分に疑問を投げかけたまま止まなかった。
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