Promise
緊急入院から
あっという間に3週間が
過ぎた
私は主治医の先生に
話をきく
先ずはレントゲン
明るく照らされた
母の心臓のレントゲン
私でもすぐにわかるくらい
劇的にかわっていた
1週間前はまったく大きさの
変化はみられなかった
母の心臓は
びっくりするほど
小さくなっていた
入院してから
ずっと続けた 点滴の効果が
全身の浮腫をけして
正常になりつつあった
先生に感謝を告げて
母の病室へと急ぐ
部屋に入ると同時に
母に
心臓がとても小さくなってるよ!
と話した
母は涙ぐみながら 私の話をきいていた
心臓はほぼ 正常の大きさに戻っても 呼吸がうまくできない
母は酸素をつけていた
これから 二度とは外すことは
できない
はじめこそ 鼻の管の違和感をおぼえていたようだが
日が経つにつれて だんだんと気にならなくなったようだ
いのちを守るための 酸素
ある日母は私に こんな話をしてくれた
私のお父さんは 酸素ボンベの
会社の社長をしていたのよ
でも 色々な社会情勢が変わって
仕方なく その会社はとじたのよ
おじいちゃんがお母さんに
エールを送ってる気がするわ
私はそう母に こたえた
エンハイナモノアジナモノ
どこかでつながる
その御縁
だからこそ
大切にしたい
絆というみえない糸
たとえ やむなく
はなれても
どこかで
エールを送りあう
どこかで
心を通わせる
静かに
静かに
ともる
生きるを包んで
導かれていく
roots みぃ @miwa-masa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます