　地球は、青い宝石のようだった。

　暗い宙に浮かぶ、青い水の星。その中に鮮やかな縞模様を刻むのは、緑色。自然の色であり、生命の色。　あの緑の中に、無数の生命が躍動し、生活を描いているのだ。　なんというロマンだろう。

　勿論、それは海も例外じゃなくて、深い水の中には何億何兆と言う魚が泳いでいて、食べたり、食べられたりされながら、命のループを描いている。

　僕はうっとりしながら、窓の向こうの地球を眺めていた。

　この宝石のような星を守らなければならない。僕はそう決意した。

　とても難しいことだけど、僕にだって出来るはずだ。まだまだ未熟で、知識だって足りないけれど。　この星を美しいと思う気持ちは、誰にも負けないから。

　それくらいには、この部屋に飾った幾つもの宝石の中でも、地球が一番好きだった。

　だから部屋の中で一番いい位置に、お父さんに買ってもらった宇宙層に入れて、地球を飾っている。　太陽光を再現できるように、照明は大きな公転装置を作って、地球が元の座標にあったときの光の当たり方を、かんぺきに再現した。　自転も、採取したあとから狂ってしまわないよう、特製の重力波装置で調整した。おかげで、元のスピードと99.999%一致している。

　僕は、宇宙層の窓に頬を押し付けながらうっとりと、綺麗な青色を眺め続けた。　もうすぐプレゼントで、お父さんがテレペス顕微望遠鏡を買ってくれる。

　そしたら、地球に暮らす『ヒト』っていう微生物の暮らしがもっとよく見えるらしい。

　それは、大きさは全然違うけど、意外と僕らと同じような姿をしているらしい。　楽しみだなぁ。

　どんなふうにヒトは今、地球で暮らしているんだろう。