序章─冒険の始まり─

欠片1.『少年の夢』

欠片ピース1.『少年の夢』です!


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【子供の頃に

 読んでもらった】


【本の内容に感動した】



【あの日からオレの夢は──】



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【800年前】



【空から降り注いだ『星屑ホシクズ』によって】


【人類が支配していた

 世界に終わりを告げた】




星屑ホシクズの影響により

 『機屑物ガーベマジル』が誕生し】


【人類は何度も戦いに敗北した】



【そして──

 人類は数を減らし】


機屑物ガーベマジルから

 隠れて生きながらえてきた】



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ー2688年ー


辺りは深い谷。高さ100m程はあろうか。

谷底にはいくつもの道が迷路のように続き、周囲は岩で囲まれている岩壁に、不自然に出来たくぼみがあり、そこには高さ2m、横幅は1.5m程の線が入っていた。


しばらくすると『"ゴゴゴゴゴッ"』と音が鳴り、その線が切り抜かれたように、石扉いしとびらが横に開く。


入り口から黄緑きみどり色の髪の毛に、一部オレンジ色の髪が混じり、瞳の色がオレンジ色の少年がいた。

少年の背丈は150cmくらいで、白い服にオレンジのダイヤ模様が入っていた。下半身は黒色の半パンに先が丸みのある茶色いブーツを履いていた。


少年は外に出ると入り組んだ谷の間を歩みを進める。

そして、別の石扉いしとびらの前に辿たどり着くと。扉を開き、少年は中に入っていった。



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『"カァン"』『"カァァン"』と、音が響く洞窟内の通路の先には、大きな空間があった。

その空間はまるで、工房のような部屋になっており、レンガでできた大きなかまどの中には炎がくべられていた。

その横には石の台や工具が置いてあり、背丈は小さいが体格が良く、少しとがった耳に大量の髭を生やした男が、金槌かなづちを振るっていた。


部屋の中の温度はかなり高温だったが、彼から感じる集中力は凄まじく、なかなか話しかけられずに少年は見守っていた。



「おーい!」



『……』


男から返事はない。



「ツベチカのおやっさーん!!」

「聞いてんのか!」


『……』



「おやっさん!!」



『ん?なんだ、サーチか』

『いつからいた』


機巧技師[ツベチカ(56)]

    [種族:ドワーフ]



「さっきから呼んでるのに無視されてるっての!」


主人公[サーチ(12)]

   [種族:ヒト]



『すまんすまん』

『全く聞こえんかった』


そう答えると、『ガハハハッ』と大声で笑っていた。



「おやっさん」

「前に見つかったのは"星屑ノ欠片ガラクタ"だったのか?」



『…いや』

『ただの"破片クズ"だった』



「そっか」

「また違ったのか…クソッ」



『……サーチよぅ。オメェまだあの夢見てんのか?』



「ああ」

「オレは、絶対に"星屑せいせつ機巧技師きこうぎし "になる!!」



「幼い頃に見た……本に書いてあったんだ。」



「この世界が機屑物ガーベマジルに支配されて800年」


「大昔に機巧技師きこうぎしが、星屑ノ欠片ガラクタを使って造った伝説の武具──」



「それが"星屑せいせつ"だ」



機屑物ガーベマジルの硬い装甲も、簡単に破壊できる武器。」


「800年前の星屑せいせつ機巧技師きこうぎしは、星屑を王国の九人の『聖騎士パラディン』に渡して機屑物と戦った」


「そして、彼らは勝利しかけた……」



静かに聞いていたツベチカが、さえぎるように喋りかける。


『だが、強力な力をもつ機屑物ガーベマジルに敗れた』

『だから今もオレ達はここで暮らしてんだろ。』



「……オレは諦めない。」


「どこかにきっとあるはずなんだ……!」

「まだ見つかってない星屑ノ欠片ガラクタがあるかもしれないだろ!」



『見つけてどうする?』


「ヤツらをぶっ壊す星屑せいせつをつくる!!!」



『だが、それでもヤツらには勝てねぇよ』

『歴史が語ってるだろ』



「伝説の星屑せいせつを超えるもんを──」



「オレが作ってやるよ!!」




『……』


サーチを見つめるツベチカ。



「いつかここを出て」

星屑ノ欠片ガラクタを探す旅に出る!!」



「そんで、ヤツらをぶっ壊す星屑せいせつをつくるのがオレの夢だ!!!」




『フンッ、オマエみたいなヒヨッコじゃすぐに死ぬぞ』

『おとなしくここで破片クズの武器でもつくっとれ』


再び作業に戻るツベチカは、落ち着いた声でサーチに呟いていた。



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【──星屑ホシクズの飛来により、自然界に存在する物質の原子や遺伝子に変化が起きた。】



【それにより生物や植物、鉱物までにも影響をおよぼした。】

【その結果、環境は大きく変化し…動植物、鉱物などは『機屑物ガーベマジル』と『在屑物アニマ』の2種類に大きく分類された。】



【2種の大きな違いとして、『機屑物ガーベマジル』は星屑ホシクズによって突如とつじょ生まれた機械生命体や、機械物質のみを含んで創られた生命体や鉱物である。】


【一方で『在屑物アニマ』は、この惑星に元々存在していた生物や植物、鉱物などが星屑ホシクズから生成された微量な機械物質と融合し、遺伝子が変化。その後、再形成された生命体や鉱物などをそう呼んだ──】



800年間『機屑物ガーベマジル』の進行により、人類の研究はあまり進んでいない。


生きることに必死だったのだ。


この惑星の変化が、全て解明できたわけではない。

まだこの世には知らないことが沢山あるのだ。ゆえに未知。


この先起こる出来事を──サーチはまだ。



あの時まで知るよしもなかった。



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【翌日】


サーチはツベチカのいる工房へと出向いていた。



「ツベチカのおやっさん」

「今日は使っていいんだよな?」


『ああ、1時間だけだぞ』


「ヘヘッ!よっしゃー!!」

「ありがとう!」



『んで……どんな破片ノ武器ウェードをつくるんだ?』



「ん〜やっぱ銃かな!あとは斧とかも造ってみてぇ!」


『まあ、オメェさんの体格だと銃はアリかもなあ』



「うまくできるかな?」


『心配すんな!このオレ様がついてんだぜ?』



ドヤ顔をするツベチカの顔を見ながら、サーチの目は半月形に変わり、不安そうな表情で見つめていた。



(アンタだから心配なんだよ…)


「いつも…ヘンテコな破片ノ武器ウェードしかつくってねーのに?」


サーチはあきれたまま返事をすると、ツベチカは自慢げに語り出す。



『うっせぇ!あの破片ノ武器ウェードのよさが分かんねーヤツらはな、なんも分かっちゃねぇんだ!』



『いいか!この破片ノ武器なんてな』


話しながらツベチカは、武具がたくさん置いてある箱の中から手袋と靴を取り出していた。



『この手袋と靴にゃあ。手足の平にある吸盤を使うことで、崖を登れることができるんだぞ!』


『すげぇだろぅ!!』



「……」

「階段でいいじゃんか」



『……』



「今は地上まで階段で行けるし」



『……ぐぬぬ。』


『……えぇ〜〜い!うるせぇな…!』



「もっと人類に意味のあるもんつくってくれよ〜」


「ハァ……。」と、ため息がでるサーチ。

その隣でツベチカは、まだ自慢するようにかたっていた。



(もう、おやっさんはほっとこう)



「それじゃあ!オレの破片ノ武器ウェード



「つくりますか!!」



破片ノ武器ウェード

機屑物ガーベマジル在屑物アニマから採れる素材で造られる武器。

高温の火を通すことで、形を変形させることが可能である。人類がもともと使用していた従来の武器とは違い、その強度はより固いものとなっている。その為、火が通るとはいえ、細深部まではなかなか通りにくく、加工が難しいため技術が必要とされる。


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