永遠のクラスメートへ

進藤 進

第1話 十年後の同窓会

「よぉっ・・・」

山田が笑顔で声をかけた。


同窓会は故郷の街にある居酒屋だった。

小さな店なので貸し切りだ。


出席者は十人と少しで。

こじんまりとした会だった。


特に仲が良かったクラスでは無かったし。

こんなものかなぁ、と俺は思っていた。


中学三年生。

十五歳の時間は。


甘酸っぱく。

心の中に残ってはいたのだけど。


二十五歳の山田は。

別に老けてはいないけど。


やはり。

オジサン顔になっていた。


「よぉ・・・」

俺も素っ気なく声を返した。


山田を見ていると。

俺も、そう・・・。


オッサンに。

なっていると思ったからだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る