第6話 防衛戦って知ってる?

「えー、さて本題に戻ろう」

「はて?」

「私たちは、入って間もない、というか今日初配信したばっかだ」

「うん」

「だけどもあるイベントに参加できることになった」

「それは?」

防衛戦ディフェンスゲームだ!」

………?

この場にいるクルリ以外全てのメンバーの頭上に?が見えた、それほどに分かりやすい表情アホ面だった。

「全…全員揃っ…てなん…だよその顔」

「まぁ…いい…説明し_」

無音でフアリが立ち上がった、そしてクルリの耳に何かを呟き、何か特殊な表情をクルリに見せたらしい_それが決め手となった。

ダムが決壊するようにそれまで留めていたであろうクルリのとある感情が一気に溢れ出た。

それは笑いという感情ものであった。

「あははははっ」

ー ー ー


「あぁ…うん、まあ防衛戦っていうのはねぇ」

「あれ?リーダー、乗り切れるとでも?」

「いや、本当に本当にフアリが悪い」

「え?私?!」

なんか、予想外みたいな反応してるがお前が悪い。

「…不服」

黙っとけ、こういうのは甘んじて受け入れなさい。

無言でも伝わったようで、静かになった。

「いや何、先刻さっきのような大笑いする様を周りに見せてなお、偉そうな態度を取れるほど私は心が強くないもので…」

「なぁんか、クルリリーダーかわいい」

「むぇ?今までは可愛くなかったと?」

「いんや、そぉではないけど、でもかわいいねぇ、それ続けたがいいんじゃないかな?」

「むぅ…いや、流石にこれは見せられないかなぁ」

可愛い、そんな感想以外出てこない気がする、表情豊かに話すのが、年相応にも見えて…かわいい、配信でもそれで行けばいいのに、満に賛成やな。

「えーごほん、もういいかな?防衛戦はグループ同士でチーム戦を行うイベントでね、それぞれで勝利を目指すイベントなんだ…」

ー ー ー ー ー ー

 えーと、内容的には大体、2つのグループが互いに倒し合うってことやな。この世界では致命傷を負ったら拠点で復活リスポーンするけど、そのイベント中にはそれは起きなくて、あとイベントに参加したグループ以外はガーディアンもプレイヤーもこの世界への転移アクセスが不可となる、ついでにその様子が世界中に配信される…か、多いな情報量が、理解するまでに夜になってしまったぞ。

「あと、その時にをお披露目する」

クルリがニヤリと少し怪しげな笑みを浮かべた。それを月明かりが照らし、妖艶な魅力を引き立たせる。

月の光の美しさとそんな夜を魅せる『NewWorld別世界』、それをバックに三毛猫がにゃぁんと小さくともはっきりと、鳴いた。


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タワーディフェンス 〜新世界にて配信中〜 木曽 リヒト @Kiso_Rihito

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