第5話 リーダーって疲れるんだ…
「結局、どこの誰だったのか」
僕は呟いた。
「そんなに気になる?」
「まあ敵さんの事情くらい知っておきたいし」
「そーお?配信になったらまずいかもよ」
「そこら辺は、現在進行系でリアルタイム編集してくれている人がいるから大丈夫でしょ」
僕は口からスラスラと適当ほざいた。
「人生は己の思うまま生きないとつまらんよ」
「それもそうか?」
なんか納得していた。
「終わったか?」
リーダーが聞いてくる、振り向くとフードを目深にかぶった
「はい、リーダー」
「それで、どこから来たのか聞けたのか?」
「いいえ!」
威勢良く言った、殴られた。
「バカヤロー」
えぇ……?
「困惑した顔をするな、腹立つ、なぜとどめを刺した?」
「何も言わなかったからですリーダー、どうせ奴らに二度目は無いので」
正直に言った、殴られた。
「バカヤロー」
はぇ……?
「あいつらの仲間が来る可能性があるだろうが」
………?、……そうか!
「お前もなぜだめなかった?」
「コイツの判断が早かったです」
もう何もかも諦めたような顔になった。
「だが、長居させなかったのはいいことだ」
「「ハイッ、リーダー」」
クルリが二人にくるりと向き直り。
「お前らも判断が早いのはいいことだ、だがある程度指示を…」
二人は最後まで聞かずにキラキラと目を輝かせて口を開いた。
「ありがとうございますリーダー」
「これからも頑張ります」
もう何かを悟ったかのような目になり、彼女はすでに対話を諦めていた。
「もういい、帰ってお茶の続きをしよう」
「「ハイッ」」
「こういう時は元気なんだな」
なんかもう疲れていた、可哀想に、こんな奴らの
先程までと声を切り替え、しっかりとリーダーらしく配信終わりの挨拶をする。
「なあ、あの声」
「ああ、視聴者にも…」
悪寒、殺気にも似た何かを僕たちは彼女から感じ、僕らはその先に続く言葉を言わなかった。
「お前ら、戻るぞ」
振り向きざまにそう言った。
「話し合いの途中だったからな」
そう言いつつ僕らに背を向けるリーダーは、疲れなど感じさせない力強い声だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます