『さよならの先』は春霞のランドセルのなかに
神崎 小太郎
まえがき
あなたにもランドセルを背負って通学したあの頃の懐かしい記憶が残っているでしょうか。
六年間、教科書と笑い声、そして内緒の涙を詰め込み、毎日ともに歩んだ通学カバン。役目を終えてもなお、誰かの心に静かに残り続ける、そんなカバンが運んだ小さな奇跡の物語です。
見知らぬ祖母と孫、ひとりで娘を育てる母とその忘れ形見。それぞれの想いがメビウスの輪のように重なり合い、やがて春の光の中で、ほのかに温かな痕跡となって浮かび上がります。
「春霞のランドセル」という一編を軸に、純文学・詩・ラノベ・朗読台本――四つの筆致で綴った本作は、約一万字のミステリアスなヒューマンドラマ集です。二十分ほどで、ゆったりと読み終えられるでしょう。
どうか、移りゆく季節の片隅で、この物語があなたの心にそっと寄り添いますよう心から祈っています。
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