羽田支局-3班デスクでの一幕
平川 「聞いてくださいよ〜〜!!!」
斎藤 「んだよ朝から騒がしい」
平川 「この前〜、ショッピングに行ってたら〜自転車に引かれたんですよ!」
加藤 「だだだ大丈夫なんですかそれ?!病院行った方が…」
平川 「行ったんだけどさ〜いや聞いてよ!それがさー!ぶつかったんだけど自転車の方が吹っ飛んでさ、しかもあろう事かソイツ逃げようとしたんだよ!?!?許せなくない?!」
斎藤 「…チャリの方が吹っ飛んだつってなかったか今?」
「課長も聞こえたのなら僕の聞き間違いでは無かったようですね…」
斎藤 「アイツバケモン?」
平川 「でさー逃げようとしたから捕まえて警察に突き出してやったの!そしたらソイツさ!「身体が勝手に!!ウソじゃない!ほんとなんだ!!」とか言い訳してさ〜!もうあったま来ちゃって!慰謝料と治療費ふんだくってやる!」
加藤 「災難でしたね…なにか手伝えることがあれば言ってください!」
平川 「やさしー!ありがとー!」
花道 「………」
斎藤 「アイツチャリよりかも強いの怖すぎだろ…」
「触れないでおきましょうそこは」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
斎藤 「それで?仕事は大丈夫なん、怪我とか。支障が出る様なら報告しないといけないから。」
平川 「特にはどこも痛く無いですけど」
斎藤 「強すぎんだろ…、まぁでも無いならいいか、支障が出るようであればその分の補償も請求でき『体痛いです!!』…」
斎藤 「…………」
平川 「いたいです!めっちゃ!」
斎藤 「………」
平川 「ダメ…ですか?」
斎藤 「そう来なくっちゃなァ!!」
平川 「ヤッター!」
加藤 「最悪の意気投合だ…」
斎藤 「貰えるもんは貰っとくんだよ、ひき逃げして否認もしてるんだぞ?それなりの姿勢でやってやんねぇとなァ?!」
平川 「そうだそうだー!やったれやったれー!」
加藤 「はぁ…」
加藤 「そういえばそのチャリ野郎は電脳化とかしてたりしてました?」
平川 「うーん、そこまでは分からなかったけど何で?」
加藤 「いや、電脳化してると脳の記憶、いわばメモリがしっかりと記録されるので、身体が勝手に動いたっていう言い訳を虚偽申告として立件できるんです。」
平川 「……?」
加藤 「…えーっとつまりですね、身体を動かすというのは脳の電気信号により動くわけで…動かしたという記録とその発言を照合して発言の真偽を確かめるんです。」
平川 「なるほど…?」
斎藤 「要は嘘発見器をそいつの身体で証明出来るってコト。動かしたっていう電気信号と動かしてないっていう発言を並べて本当ですか?ってやるんだよ。車のドラレコみたいなもんだ。」
平川 「なるほど!」
加藤 「お詳しいですね」
斎藤 「世話んなった上司がそういうのも得意でな、世の中には電脳化したやつの目や身体をハッキングして傀儡として人間を動かす事が出来るやつもいるらしい」
平川 「なんですかそれ…まるで死霊使いじゃないですか。キョンシー?」
斎藤 「現代版キョンシーだな」
加藤 「まぁその辺は人身事故ですし警察の方が調べてくれるでしょう」
斎藤 「とりあえず怪我云々で仕事に支障が出るっていう報告書だけ書いといてやるから」
平川 「ありがとうございまーーす!!!」
斎藤 「その代わり仕事ちゃんとやれよ?」
平川 「アイタタタタ!痛くてペン持てない!」
斎藤 「そうかじゃあ変わりに銃と盾持っとけ。」
平川 「か弱い女の子になんてことを!」
斎藤 「チャリ弾き飛ばすやつのことを世間一般には女の子とは言わないんだ。そんなんだからモテねぇんじゃねぇの?ペン持つんじゃなくて自分がモテるように努力した方がいいんじゃねーの?」
平川 「あーもう怒りましたセクハラパワハラで訴えてやります!」
斎藤 「元気そうで何よりですわ」
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