羽田支局-4班の調査任務

内務省警備部-羽田支局-3階━━━━━━━━━━━━━━━

7:20 三課内にて


今日の出勤している人間が一斉に部長席の前に集合する。これから夜勤と日勤の人間が業務の引き継ぎを行う。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━長ったるい挨拶と報告事項を適当に終わらせ、各自デスクで個別の引き継ぎをまた行う。私と平川の2人は代理の元へ向かう。今はちょうど前日の担当と引き継ぎをしている所だ。


〜〜〜〜〜〜〜〜


斎藤 「あ〜おまたせ、じゃあとりあえず今日の仕事なんだけど…、まぁ前回と同じように調査対象の××××××××に関しての資料集めで、対象者本人は3班が張り込みするらしいから2人は関係者〇〇 〇〇に事情を聞きに行っといて。場所はココね」


そういうと代理は住所等細かい情報が書いてあるメモを渡してくる。


斎藤 「俺は別の関係者の‪XX XXをコレが終わり次第当たるから、何か分かったら連絡ちょうだいね。」


そういうとデスクに溜まった書類を処理し始めた。


「それじゃ、行きますか」


平川 「はい!いっちょやりましょう!」


後輩を連れ、鍵置き場に掛かっている車両の鍵を取り車庫に向かった…。


━━━━━━━━━━━━━━━

某県〇〇市の少し奥の方にある住宅街、とある二階建アパートの二階、真ん中あたりの部屋の入口に俺と平川は立っている。今回の件に関しての調査対象xxxxと関係が深い〇〇〇〇に話を聞きに来た。インターホンを押し、大きな声で尋ねる。

「すみませーん、内務省の物ですがー……」


…………………


反応は無い、不在なのだろうか?


平川 「出ませんね〜、出かけてるんですかね?」


代理から貰った対象の資料を確認する。年齢は41、男性、調査対象との関係は親しい友人との事。仕事は物流センターにて従業員として勤務。勤め先が言うには今日は公休日で出勤はしていないとの事。趣味は釣りらしく、SNSに釣りに行った等の投稿が良くされている…。だが駐車場を見た時に彼のと思わしき車は止めてあった。ボンネット付近は冷たかったので恐らく今日は動かしていないだろう。俺は少し考える


……………………


すると横に居た彼女はドアに顔を近づけ聞き耳を立てている


平川 「う〜ん、中の音……なんかでも音はするんですけどねぇ〜?」


…なるほど、居留守という可能性もあるか。だとしたら話は早い、俺は部屋の中からも聞こえるくらいの声で横にいる後輩に話しかける


「あ〜〜〜〜いないなら仕方ないですね〜!今日は引き上げますかぁ〜。」


平川 「え!!!帰るんですか!!まだ待ちましょうよ!!」


こいつは…少し俺の考えも汲み取って貰いたいものなんだが…と口には出さないでジェスチャーを交えながらとりあえず扉から離れるように指示をする


平川 「しょうが無いですね…じゃあ帰りますか…。」


よし、そのまま彼女に部屋から見えないようにドア横に張り付かせ俺は反対側でドアが開くのを待つ


……………


扉が開く。今だ!合図と共にドアを開けた男の腕を掴みそのまま外に引きずり出す。男は鈍いうめき声をあげるが構わずそのまま地面に組み伏せる。


男 「いってぇ!!!何しやがる!!!」


平川 「なんでコールしたのにでないんですかァ〜?もしかして〜?やましい事でも〜あるんじゃないですか〜?」


男 「うるせぇ!!!離せってんだ!!!」


男は声を大きく荒らげながら、逃げようと必死にもがき続ける。


やけにうるさいその声は閑静な住宅街に大きく響き、騒ぎを聞きつけたヤジがチラホラと集まってきた


…!まずい!


「平川さん!!」


平川 「はい?」


「アパートの裏に回ってください!恐らく部屋の中にもう1人います!」


平川 「!分かりました!」


男 「…ッ!」


コイツも頭が回るようだ。大きな声を出せば中に匿っている人間に騒ぎを知らせることができる。その上ヤジが出てくれば自ずと人が集まる為逃げて匿う人間を簡単に隠せることが出来る。木を隠すなら森の中、人を隠すなら人混みの中。やるじゃないか。


俺は男を拘束し、ヤジ馬が群がる中、車両まで連れて行き後ろに詰め込む。すると電話がかかってきた。


"もしもし!平川です!今さっきアパートの2階から飛び降りるヤバいやつがいたので追っかけてます!"


"ありがとうございます!恐らく匿ってた関係者かと思われます!年齢、特徴、性別、わかり次第教えてください!相手は隠れていた人間です!何があるか分からないので強く警戒を!車ですぐそちらへ向います!"


平川 "分かりました!恐らく…2~30代!2階から飛び降りても無傷ぽいので体力はありそうです!今はアパート裏から西にある小さな路地を走ってます!"格好は上下ジャージで色は赤!黒髪で身長175cm程!…あっ今右に曲がりました!"


彼女の通話の情報を頼りに車載の無線から本部に連絡を入れる。それに合わせて車を走らせる。


<こちら羽田4-12号車!本部至急取れるかどうぞ!>


羽田 <こちら羽田本部413どうぞ>


<こちら4316現在調査対象の関係者を追跡中!応援要請願う!>


<こちら413了解!43に引き継ぎ要請する現在地送れ!>


<4-12は現在〇〇市〇〇町xxxxを西に進行中!対象者は現在4322が追跡、男性、2~30代、上下赤のジャージ、175cm程、以上>


<413了解、43引き継ぎ行う>


<こちら436、413より引き継ぎ完了、現在435及び437、4311を応援で向かわせてる。車両は4-18号車、連絡待てどうぞ>


<4-12了解追跡を続ける、通信終了アウト>


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