内務省-警備部筆録

ヒコーキ

プロローグ

<…こちら03、現着。これより状況を確認する。>


<同じく02>


<01から02-03へ、相手は手練だ、用心せよ。10は既に中に居る、侵入次第合流しろ。>


都市部から離れた工場地帯、とある一角にある工場。使われていないのか、手入れされていないのか、外観は酷く朽ち果てている。日こそ出てはいないものの、空の明かりでかろうじて視界が確保できる明るさがより建物を不気味にさせる。工場の前で銃を構え、辺りを見回す2人組がそこには居た。1人は屈強な体つきで、2メートルはあるであろう大男。そしてその横には、大男に比べると小さいが、それでも体格がしっかりしている男。2人とも手には自動小銃をもち、体には防弾ベストを身につけ工場を見続けている。


「入口は…。」

小さい方の男が言う


「さすがに正面切ってこんにちはをする訳にもいかないだろう。」

大男が返し、辺りを見回す。


「裏口あっかな。」


「探してみるか…


男はベストにつけている無線機を持ち、どこかに連絡する。


<こちら02、後方取れるか?>


しばらくすると応答が帰ってきた


<…07どうぞ>


<こちら02、正面以外に入口無いか>


<………西側の方に通用口がある。確認せよ、アウト>


「聞いたか?だってよ。」


「援護する。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ここか…」


そう呟き、ドアを開けようとする。


「トラップに気をつけろ、何があるか分からないぞ。」


「わーってるよそんくらい。」


ドアを少し開け、足元からみあげるように空いた隙間を確認する。ちょうど胸の辺りだろうか、きらりと一筋の光がドアから部屋の奥の方へと流れている。


「ビンゴ」


「トラップか」


「どれどれ…」


ポーチから小型のカメラを取り出し、隙間から建物内に投げ入れる。


「見えたか?」


「急かすなようるせぇな、こっちも慎重なんだから。…………大丈夫そうだな、ワイヤーだけのダミーだ。」


「キモイ事しやがって。」


「よし、行くぞ。」


<02、03配置に着いた>


<04準備完了>


<05-06スタンバイ>


<よし、揃ったようだな。合図と共に突入する。>


<3...2....1...**突入開始**>

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