優しいです。文体、物語の流れ、ママとのやりとり、全体的に優しさに包まれた作風です。みんなに笑われても「もったいない」と思う僕や、僕に話しかけるママの言葉がけに、作者の優しさが滲み出て「いいな」と思いました。「月に触る」のキーポイントは絵本で、物語の節々に絵本の内容を引用しているのです。ところが、肝心の絵本の内容がすべて明かされていません。読者は断片的な情報を頼りに「いったいどんな本だろう?」と想像を膨らませるのです。それぞれ、絵本の内容をイメージするのは、なんと趣のあることでしょう。
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