COCKTAIL IN THE COSMOPOLITAN
パクデボン
1杯目 GIN TONIC
いつもと変わらない夜
私は、いつもと変わらないルーティンで支度をして、職場に向かう。
繁華街にあるどこにでもある、街場のバーだ。
もうオープンして、25年になる。
11年前に私の師匠が倒れ、そのまま譲り受けたお店だ。
月曜日
19時にオープンする私の店。
bar Uisge-beatha
なんて読むかはほとんどの人が、わからないが
解って入店されるお客様はなかなかの酒通だ。
20:39
酒棚のボトルも磨き飽きた頃、やはり常連の久保田さんがやってきた。
月曜日の21時前に必ずと言っていい程、ご来店頂ける。
「おはよう、マスター。
じゃあ、おすすめのジントニックからで。」
「かしこまりました。」
能登半島で作ったジン、ノトジンが入ったのでそれをジントニックで。
ライムは優しめに絞って、氷を聴き心地の良いカランカランと、グラスに入れノトジンを注ぐ。
バースプーンで軽やかに香りがフワっと立つまでステア[混ぜる]して
一発でスクリューを、回し開けたキンキンのトニックウォーターを、サッと数滴、グラスの氷にかけてリンスしたら
氷に当てずにスルスルと優しく注ぎ入れる。
シュワシュワァ〜。
音と共に、ノトジンに入っているボタニカルの月桂樹や柚子の香りが膨らんでくる。
「久保田さん、今日はね能登半島のジンでどうぞ。」
へぇ~という顔を、しながら
グラスをとり、香りを嗅ぐ。
目が覚めたような顔を、して、グビッとまずは一飲み。
「あ~これ美味しいね。マスター、正解だわ」
ありがとうございます。
久保田さんは映画が大好きで、それからは映画の話で盛り上がるのだが、ネタバレをどんどんしてこられるので、久保田さんが勧めた映画はあまり観ていない。
良く言えば、説明上手で、観なくても観たことがあるぐらいの会話が成り立ってしまうからだ。
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