異世界に降り立ったら幼馴染似の美少女騎士に転生してた…と思ったら?
@ma9262
1章 Happy Re Birthday
第1話 17歳の朝
「
「おめでとう」
「
朝食を食べにリビングに降りると、3人が祝福の言葉を送ってくれた。
「あ、ありがとう。叔父さん、叔母さん、それから
「え~あたしが最後なの~?」
「いや、いっぺんに名前呼べないから順番に呼んだだけで…」
「それでも酷―い!」
「百合、あまり拓海を困らせるんじゃないよ」
「そうそう、いくら好きだからっていじめちゃだめよ」
穏やかな朝のひと時。いつもと変わらない、特別なひと時だ。
「今日の夕食はお祝いのバーベキューにするから、楽しみにしててね」
「ほ、本当に…?」
「ああ、良いお肉を用意してるから、たくさん食べなさい」
「良いの!やったー!」
「百合、今日の主役は拓海なんだから、アンタ食べ過ぎちゃだめよ?ダイエット中でしょ?」
「えー良いじゃん?脂肪分の少ないお肉なら太らないもんね~」
賑やかな会話の中、拓海は俯いていた。
「拓海、どうかしたのか?」
「あ、いや…僕なんかが、こんなにお祝いされて良いのかな…って」
騒がしかった百合も、拓海の言葉に耳を傾ける。
「僕は…行く先々で不幸を招いてきて…、この家にもいつ、それが来るか分からない。そんな僕が…こんなに祝福してもらえるなんて…」
声の震える拓海を、百合がそっと抱きしめる。
「拓っくんは何も悪い事してないでしょ?何でそんな自分を責めるのさ?」
「百合姉…」
「そもそも、ウチに来てから何回目の誕生日よ?拓っくんがそんな不幸を呼ぶ人なら、とっくにそれが起きてるって」
「…そうだな。百合の言う通り、拓海が自分を責める必要は何一つないぞ」
「そうよ。ああたは何も悪くないわ」
「叔父さん、叔母さん…」
「お前の身の周りで起きた事は、確かに辛く厳しい物だったと思う。でも、それはいつまでも続くものではない。だから、胸を張って、前を見て、今日を生きて行けば良いと思うぞ?」
叔父の言葉に、静かに涙を流す。
「ありがとう…ございます…!」
「…さぁ、朝食を食べようか。二人も学校に遅れてしまうからね」
「はーい!拓っくん、食べよ?」
「う…うん!」
―こんな幸せな時間が、ずっと続けばいい―
そう思いながら、拓海は食卓に座る。
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