洋菓国史 〜革命のその先に〜
@mania_ch
第1話 港町「ヨーカ」
ここはアーグスト王国南西部の「ヨーカ」という港町だ。王国の輸出入は殆どここを拠点として行われており、町は王国有数の大都市であった。
僕の名前はドミトリーだ。この町に来て早三年。すっかり町に馴染み、ここが僕の新たな故郷だ。
ある日、この町でパレードが行われることになった。なんでも、今の領主の息子が新しい領主として跡を継ぐそうだ。
パレード当日は町がいつもより賑やかで、露店なども出ている。新領主は煌びやかに装飾された馬車に乗って大通りを往く。
パレードの最後には新領主の演説があり、皆その時は今か今かと待ちわびている。
そんな期待とたくさんの拍手に包まれながら新領主は演台に立った。
「おほん、それでは始めよう。まずは自己紹介からだ。私を知らない者はいないと思うが一応言っておく。私の名はミハイル・アンドレーヴィチ・ハリコフだ。来月より新領主になる素晴らしき男だ。愚民どもよ、覚えておけ。」
演説を聞いていた者は皆ギョッとして広場は一瞬にして静寂に包まれた。領民を愚民呼びする男が新しい領主になってしまったのだ。皆これからのことを思い、不安になりつつも、顔には出さなかった。
これにて新領主の就任パレードは終わった。
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