Kingの過去


「今日、会議室に集合をかけた時点で、君達は依頼の件だと察知したと思う。

だが、今回の依頼に関しては、君達に私の過去を話す必要があると思っている」



Kingは、瞳を閉じると右手を左胸に持って行き、深呼吸すると閉じていた瞳を開けた。


どこか遠くを見つめる瞳のKingは、ゆっくりと言葉を発していく。



「私は、赤ん坊の時に乳児院に預けられた。

1歳を過ぎた頃からは、児童養護施設で育った。

君達も知ってる様に、私の瞳オッドアイ。

髪の色も、赤ん坊の時からだ。

物心ついた時から、周りの者達は、私の事を気味が悪いと言い、私は1人でいる事が多かった。

親が、何処の誰かも分からず、唯一あるのは、乳児院のシスターから貰った名前のみ………。

この瞳と髪を、どれ程疎ましく思っただろう……」



暫く沈黙が続く。


遠くを見つめてたKingの瞳は、5人の顔に向けられた。


そして『だが!』と言ったKingは、柔らかく微笑んでいる。



「そんな私に、寄り添う者達が現れた。

小学3年の時に、産まれて初めて、友人と言う者を知った」



スクリーンには、色褪せた1枚の写真。


その写真には、小学生くらいの4人の少年の姿が写っている。


Kingは『これが私だ』と言って、指示棒で人形に見える1人の少年を指した。



「この頃の私は、喜怒哀楽と言う感情が何かさえ知らなかった。

彼等は、知らないなら、分からないなら、これから知れば良いと言ってくれた。

この瞳もこの髪も個性だから気にしないと言って毎日一緒に居てくれた。

そして、1つ1つの感情を私に教えてくれた。

此処に、写っている3人が私の友人達だ。

そして、今でも心から信頼出来る友人達だ」

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