第4話「門出」



永き日の

憶いの抜け殻

跡にして

飛びたつ背中の蝉翼よ


寂寥響きて幻灯機

カタカタ紡ぐ幾星霜


重なり潤むは

遠くなりゆく影ぼうし


てくてく戻りて

のこされ円座の温もりや

香の移りし蝉の羽衣

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ぼんやり。秒の詩 虹あさぎ @Niji_Asagi

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