病室12

落書き

序章

午後九時。

ひばりは母に促され寝室へと赴いた。

そこにあるのは枕、布団、ぬいぐるみの3つのみである。

外は雨であった。

無論、寝室にもその音は染み入ってくる。

しかし、ひばりの見える世界は晴れである。

なにしろ、彼女には雨の音が聞こえていない。

聞こえるのはいるかの声のみ。

彼女は空想世界に突入したのである。

その、「いるか」は他の人から見れば、ただのぬいぐるみ、といって正しいだろう。

しかし、彼女の心は「いるか」を創り出した。

これは、創られた「いるか」の物語である。

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