検診を受けたら……。

入江 涼子

第1話

 こんにちは。


 今回は筆者もとい、私の体験談を書きたいと思う。今から、二〜三年前になるが。

 ある夏の暑い日に我が家に集団検診のお知らせと称した封書が郵便で届いた。私が住む町による公的な検診だ。中に、レディース検診もあり、父と相談する。


「……レディース検診もあるんやて」


「ほうか、なら。せっかくやし、受けてみるか?」


「どないしよ?」


 そう言う私に父はさらに一押しとばかりに告げた。


「お前かてええ年やろ、受けとけ」


「……分かった、受けてみるわ」


「やったら、今からすぐに電話や!」


 仕方なく、父に言われた通りに電話を封書に記載してある番号でする。そうしたら、女性の職員さんが出て来た。緊張しながらも子宮頸がんの検診を受けたいと告げた。

 何とか、予約と取り付けたが。封書の中に検診に掛かる費用が安くなるクーポン券があり、それもあると言うのをうっかりと忘れてしまっていた。再度、電話を掛けたが。同じ職員さんはいないらしく、代わりに出てくれた職員さんにクーポン券の事を説明する。

 まあ、そんなこんなで当日を迎えた。


 父に自動車に乗せてもらい、集団検診が行われる会館に赴く。入口から入り、受付をする部屋に行った。封書や健康保険証などを部屋にいた職員さんに見せ、手続きを済ませる。 


「そちらに椅子があります、掛けてお待ちください」


「はい」


 頷いて並べてあったパイプ椅子に腰掛けた。他にも、受けに来た女性がちらほらといる。中には私と変わらないぐらいの年代の人もいた。また、一回りからそれより上の年代の人もいる。こうして、検診が始まるまで待った。


 検診が始まり、まずは別個に設けられた仕切りがあるテーブルに行くように指示があった。私は頸がん検診と書かれた方へ向かう。幾つか質問があり、答えていった。終わると外へ行き、大きなバスの中に入る。カーテンが間仕切りになった所で看護師さんが言った。


「スカートの方はこのまま来てください、ズボンの方は用意したスカートに履き替えてください」


 そう言って、膝丈くらいのスカートを手渡される。私も履いていたズボンを脱ぎ、それに替えた。しばらく待ち、私の番が来る。看護師さんに検診台に座るように言われた。

 検診をする先生は女性だ。顔は見えなくて履いていたスカートから、性別は分かったが。こうして、検査を受けた。詳細は割愛させてもらう。

 終わると膝丈のスカートを脱ぎ、ズボンに替えた。部屋を出たのだった。


 終わった後は検査した箇所が痛いわ、出血が酷いわで。さすがに「あれ、少量の出血や言うとったのに。おかしいな?」とは思った。

 首を傾げながら、帰宅したのだった。


 一ヶ月後くらいに検診結果を知らせる封書が届く。ちなみに、真夏の八月の中旬頃だが。ポストから取りに行き、室内にて開封する。ドキドキしながら内容を確認した。


 <異常はなし、ただしポリープ有り。治療が必要。>


 との一文が記載してある。これを見てびっくりしてしまった。仕方ないとまた、父に報告兼相談をする。


「……分かった、わしが病院まで連れてっちゃる。ちょっと待ちや」


「うん」


 父はすぐに電話で親戚筋の方に相談した。そうしたら、近隣で評判の産婦人科を勧めてくれたらしい。そちらに行き、治療をしてもらうと互いに決めたのだった。


 数日後、産婦人科に自動車で連れて行ってもらう。駐車場で待ってもらい、中に入った。受付口に行き、説明をする。また、集団検診の結果が記載された書類や健康保険証を手渡す。診察券を作成してもらい、待合室の椅子に腰掛けた。しばらくは待った。

 私の番になり、個室に向かう。女性の医師がいて説明を受けた。終わると処置室に行き、部分麻酔の注射をする。こうして、「いだだ!」と内心で叫びながらも処置を済ませた。

 取ったポリープは良性か悪性かを調べるために検査に出すらしい。待合室に戻り、精算を済ませて。帰宅したのだった。


 九月の中旬になり、再度産婦人科に行く。検査結果を聞きにだが。また、個室にて処置をしてくれた医師から結果を教えてもらう。


「良かったですね、良性でしたよ」


「はあ、そうですか」


 医師は小瓶にあるポリープを実際に見せてもくれた。


「取ったポリープはこれくらいの大きさです」


「……はあ」


 私は頷く。内心では「意外とちっちゃいやん!」と驚いたが。数えて十分くらい説明を受け、個室を出た。また、精算を済ませて帰宅する。

 父に「良性やったで」と報告するとあからさまに安堵の表情になった。私もひとまずは胸を撫で下ろしたが。けど、しばらくは気が気じゃなかった。

 今後は気をつけねばとは痛感したのだった。

 では失礼する。

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検診を受けたら……。 入江 涼子 @irie05

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