第3話 ワンダー大国 お金



 とても大きな国ーーワンダー大国にはかつて大きな樹が何本もあった。


 しかし、今は枯れてしまい、葉っぱも見つからない。


 それらの大樹は、ワンダー大国になくてはならないもので、国を豊かにするエネルギーを分け与えてくれる存在だった。


 しかし、国民はその優しさに慣れきってしまい、甘えてしまっていたのだ。


 国民は、エネルギーの蓄えられた大樹の枝や葉っぱをどんどん売って、お金をかせいでいた。


 ワンダー大国はとてもお金がない時代があったため、その方法で危機をしのぐ事を考えた当時は、仕方のない事だと言われていた。


 しかし豊かになっても国民は、大樹の一部である枝や葉っぱを売る事を、やめられなくなってしまったのだ。


 人々はまだお金がほしい、ほっと豊かになりたいと考え、将来の事まで想像できなくなっていた。


 その結果、大樹は枯れはててしまったのだ。


 大樹はもう戻らない。


 ワンダー大国は、どんどん国の力をなくして、やがて滅亡してしまったのだった。


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