四話で終わってしまうのが、これほど寂しく、温かい――。
この物語の魅力は、始終ハッピーな展開ではなく、下降した心理波形の中ですら癒しを含んでいるところにある。
それは、作者である一途貫さんの表現中にある語彙選択や語尾の置き方の匠な技術、一貫したミィという柔らかな主人公のキャラクター整合性。
そしてなにより、あらすじにもあるよう「おばあにゃんを探すこと」これを一途に守り続けているミィの思いが、文字を通して、伝わってくるからだと感じた。
そしてローランについてはスピンオフでその存在を深追いしてみたいと思わされるほど強烈な印象を放っており、実に魅力的なキャラクターであった。
ミィと遂と言えるほどの彼は性格や態度は違えど、作中には書かれていない部分の意思を主人公に託す、この作品におけるもう一匹のミィであったと筆者は思う。
児童文学的な表現であるが内容は児童のみでなく、疲弊した大人にこそ薦めたい。
忘れていた優しさが、おばあにゃんとの絆を介して心の奥をそっと撫でる。
その幸福の声は、いつまでも、筆者の中には轟いている。
大変素晴らしい読書体験をありがとうございました。