第3話
でもすぐに、大きな問題に気づいた。
——仁野と俺、ほぼ接点ゼロの平行線。
数話書いたら、想像力もインスピレーションも尽きてしまった。
そんなある日——
「聡太、女子たちと合同で遊びに行こうって話あるんだけど。旅行みたいな感じで、ちょっとした合コン?」
西山陸人が俺の肩をぽんっと叩いた。
俺はチョコを一片口に放り込みながら答えた。
「合宿? 俺、行かない」
こういうリア充イベントは、俺には不向きだ。
「でもお前が行かないと、仁野も絶対来ないし。
仁野が来ないと、女子たちもたぶん来ないだろうし……」
——待てよ?
もし仁野が来てくれたら、それって……最高のネタ供給源では!?
「行く!!」
「手のひら返し早っ!」
───
仁野が部屋に戻ったとき、
俺・西山・板垣の三人は、まるで待ち伏せしていたかのように彼を取り囲んでいた。
そして同時に、彼の手をガシッと掴む。
「仁野君〜!たまにはみんなで遊びに行こうよ〜」
「行こ行こ〜!」
仁野はじっと俺を見て、ゆっくりと聞いた。
「……お前も行くの?」
「え? う、うん、俺も行くけど……」
なんで俺だけ名指し……?
彼のテンションは明らかに低めで、俺たちは顔を見合わせて一気に不安になった。
……が、次の瞬間。
「……いいよ。何時集合?」
「行くんかーい!!」と心の中で叫びながら、俺の目がぱっと輝いた。
驚いて西山を見ると、彼もテンション爆上がり。
そのまま俺に抱きつこうと腕を広げてきたが——
ひらりと避けた。
西山に抱きつかれたら、公式CPに怒られる……!
案の定、振り返った俺と目が合ったのは、板垣のなんとも言えない目線だった。
……そっと一歩、後ずさった。
お邪魔しました。
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