怪物たちの宴の跡、白菊と鍬鋤の墓標の先に。

排他的な孤島には、独善的な人々が
それなりの安寧を守って暮らしていた。
 時に、孤島に上陸しようとする者が
いれば容赦なく排除した。
そうして、その場でのみ通用する安泰と
平和とを貪っていたが。

全身を赤黒い包帯で包んだ何者か が。

物見櫓からの一報を受けて孤島の人々が
手に手に武器を持ち排除に向かう。

 只々、理不尽なものしかないその島の。

想像を絶する侵犯者への、これ又想像を
絶する様な仕打ち。

取り分け、異様な侵入者と、
 それ以上に異様な 島の理 の衝突。



後に残されたものは。

 武器として散った鍬鋤の残骸と
     白菊の如く砕け散る波濤のみ。