第2話 メイドのあの人ゲームと違う
そのはずだった。しかし、現在転生したアリスの体は男性だった。
肩は撫で肩、声は高音、髪はウィッグがなくても長髪
見た目は完全に女の娘であった。
『コンコン』ドアをノックされた。
「入っていいですよ」
「失礼します」
入室を許可すると一人の女性のメイドが入ってきた。
茶髪のショートヘア、彼女はゲームに出てきたので覚えている。
「アンいつも僕を起こしにきてありがとう、助かってるよ」
「はい、お嬢様」
彼女は「アンネ・ペンヘン」僕の専属メイドである。
アンはゲームでは僕の怒りのはけ口にされ、それに耐えられなくなり自殺する不憫なキャラだ。
僕がアンをいじめるのは主人公に出会ったからなので、今のところ大丈夫そうだ。
そう思った瞬間にアンは膝から崩れ落ちた。
「だっ大丈夫っ!」
急に崩れ落ちたことに驚きアンに声をかけた。
「あぁ……お嬢様にお褒めの言葉を頂き私、アンは恐悦至極でございます…………僕?お嬢様の一人称は私のはず、なぜですか?」
アンは僕の一人称の違いに気付き疑問に持っていた。
ていうか、アンってゲームだと僕にいじめられていたからか、きょどきょどしてたじゃん。いまとは全然印象が違うんだけど……
見る限りいまのアンは僕を信仰している狂信者みたいなものだ、そんな彼女に転生して中身が違うことをバレたらなにをされるか分からない。僕から私に一人称を変えておこう。
「イメチョンとイメチョン、どうだった」
「お嬢様、イメチェンでございます。感想と言われますと、とても似合わないのでやめてほしいと心から思います」
「そっか……」
「お嬢様体調でも悪いのですか?いつもの朝のご入浴でさっぱりされてはいかがでしょうか?」
「うん、そうだね。疲れてるのかも入ろうかな」
アリスの部屋の構造などゲームには出ていなかったがどこになにがあるのかが分かったので〔僕→私〕は浴室へ向かった。
●●●◯◯◯●●●◯◯◯●●●◯◯◯●●●◯◯◯
「でっけ…」
それは浴室とはいえないほどの広さでまるで、銭湯のようだ。
風呂は好きだ。入るだけでこの先どうすれば良いんだろうというそんな不安な思いは綺麗さっぱり流る。
「体でも洗おうかな」
そう思い風呂からでた瞬間。
「お嬢様お体を流しにきました。失礼します」
アンが浴室へ入ってきた。
アンはメイド服を着ていたのでよかったものの、さっきまで風呂に入っていた私は裸だった。
メイド服を着たアンと裸の私は対面した。
「ちっさくて可愛い…」
アンは私の体を舐めまわすようにみてその後下半身を凝視して小声でいった。
「あっばれた。死んだわ…」
そう感じた。
「お嬢様お顔がとても青々となっております、まだお体は洗っておりませんよね?このアンネにお任せください」
アンは男である私の体をみても慌てずに平然としていた。
アンの髪の洗い方はとても気持ちよかった。
ふたつきここのかふたにつき 鎌とと鰤 @kamatotoburi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ふたつきここのかふたにつきの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます