少女の思想が、やがて革命の炎となる──闇と信念を描く異色の成長譚。

『ある日私は、革命家という名のテロリストになった。』

物語冒頭から、強烈な情景とともに読者を世界観に引き込む力のある作品です。主人公・神月唯華という少女が抱える激しい思想と孤独、そこに至るまでの心の背景が、丁寧かつリアルに描かれています。

とりわけ唯華の「思想の芽生え」から「行動への変化」への流れがとても自然で説得力があり、彼女の心の奥深くまで入り込んでいくような感覚を覚えました。思想や政治観という難しい題材を扱いながらも、主人公の揺れる感情や人間関係がしっかりと描写されており、共感と緊張感が両立しています。

今後、唯華が築いていこうとする「同志の輪」がどのように広がり、物語がどのような方向へと進んでいくのか、大きな期待を抱かせてくれる物語だと感じました。

作者さまの熱意が伝わってくる作品です。応援しております。