第十五章: ~婚約式の陰謀~

城内の皆が白雪姫と隣国の王子アレクサンダーの婚約式の話で喜び沸き立つ中、

リリアンは考え続けていました。


「次こそ、絶対に…絶対に…」


リリアンは自室にこもり、数日間、誰にも会わず作業を進めていました。


彼女が考えたのは、猛毒を塗った櫛を作り、

それを婚約式のお祝いとして婚約式の時に、白雪姫の髪に飾る計画でした。


「この櫛を白雪姫の髪に飾れば…今度こそ!今度こそ!!すべてが終わる…」


リリアンはそう呟きながら、慎重に毒を扱い、

美しくも恐ろしい櫛を完成させたのでした。





~王の調査~


リリアンが密かに恐ろしい作業を進めている頃、

王もまた、密かに調査を始めていました。


白雪姫をさらった狩人を見つけ出し、事情を問いただしました。


狩人は恐怖に震えながらも、すべてを打ち明けました。


「お城での、姫のお披露目の催しの時、

 とても美しいスミレ色の目のご婦人に命じられました。

 白雪姫様を森の奥に連れて行き、殺せと…。

 私は耐えられず、嘘をついてごまかしました。」


さらに、王は森の奥を調べさせ、こびとたちにも話を聞きました。


こびとたちは口を揃えて言いました。


「白雪姫は何度も命を狙われました。腰ひも…毒リンゴ…。」


王の中で確信が生まれました。


姫が居なくなってからのリリアンの変化、先日のリリアンの絶叫する声。

スミレ色の瞳。


「すべての黒幕はリリアンだったのだ。」






~新たな計画を胸に隣国へ~


婚約式当日、王とリリアンは隣国へ向かうため、馬車に乗っていました。


リリアンは姫への贈り物の中に猛毒の櫛を隠し、心の中でつぶやいていました。

「これで、すべてが終わる。」


一方、王もまた心に決意を秘めていました。

「白雪姫を狙ったリリアンの罪を暴き、彼女に罰を与えなければ。」


馬車の中、二人とも笑顔を浮かべながらも、

心の中ではそれぞれが違う思いを秘めていました。




続く~第十六章へ~




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