第13話「老婦人の話」

老婦人は話し始めた。

「私は20歳で結婚をしたの。うちも彼の家も名家でね。お金はあったのよ。ただ子どもが出来なかった。養子をもらう話も出たけど。」

「そうでしたか」

「私は旅行や自然が好きだったけど彼は違う。パーティが大好きで美食家でね。太り過ぎて心臓を悪くして亡くなってしまった」

そしてヒャクを見て、

「あなた、痩せてらっしゃるのね。もっと召し上がれ」と自ら紅茶をカップに注いでやり、玉子とキュウリのサンドイッチを勧めるのでした。


「そういえば、この間南極大陸横断を目指している男性が見えてね。あまり熱く語るのでお金を出して差し上げたの。必ず無事に帰って色々なお話を聞かせてねって言ったわ」

「はあ、そうですか」

「あなた、冒険はお好き?」

ヒャクは老婦人が乗り出すように聞くので困ってしまった。

「いや…怖がりなんです。」

「そうなの?残念だわ」


ヒャクはテーブルに置いた金の斧と銀の斧を見やりました。

…老婦人にこれを買ってもらうにはどうしたら良いだろう。バレエ教室を開くだけではダメなのか…もっと大きな夢を語らないと?でもそれはクララに話してもらわないと。

深い溜め息をついたのでした。


(第14話に続きます)




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