第11話「物を売るって大変だ」
意気揚々と金の斧と銀の斧を持ってお金持ちの家に乗り込んだヒャク。
しかし、一軒目、二軒目は執事に門前払いされてしまいました。
三軒目はやっとご主人が会ってくれました。そして嬉しいことに、
「うーん、銀の斧だけなら買ってもいいよ」
と言うのです。
「…そうですか。出来ればペアで、と思ってますが」
「すまんね」
ヒャクはがっかりしましたが、
「最悪銀の斧だけでも売れたらいいな、また後で来るかな」と考え直しました。
四軒目は今迄で一番大きなお屋敷でした。
緊張してノックし執事に用件を伝えると、応接間に通されました。そして入って来たのは老婦人でした。どこかで会ったような。
「あら、あなたは!…去年バレエでご一緒しましたね」
「あっ…その節はオペラグラスを貸していただきありがとうございました。ええと、ご主人は?」
婦人はにっこりして
「今ここをすべて仕切っているのはわたくしですの。主人は10年前に亡くなりましてね。子どももおりません」
「…そうでしたか」
「執事からはるばる遠くからいらしたと聞いて、じゃお会いして見ましょうと」
「恐縮です」
老婦人は話を聞いて、金の斧と銀の斧を眺めました。
「綺麗ですわね。で、これわたくしが買ったとして、そのお金どうするおつもり?」
「は?どうするって。…実は地元でバレエ教室を開きたいのです。妻、いや妻になる人はバレエ団にいたのです。怪我で辞めましたが」
「まあ、良いですね。わたくしバレエは大好きですのよ。ただ父が厳しくてやらせてもらえなかったんです」
「そうですか」
なかなか良い展開になってきたな!
ヒャクは心の中でガッツポーズをしました。
(第12話に続きます)
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