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玄関を開けると、思った以上に新しい内装が広がっていた。

壁も床も貼り替えられて時間があまり経ってないような、古さを感じさせないものだった。


優希「あれ、意外とキレイなんだな」


光「リフォームしたらしいよー。去年だったかな?」


怜悟「幽霊屋敷っぽくないな」


光「実は古かったからそれっぽい現象が起きてたってだけみたいよー?

それより昼飯はよー」


優希「いきなりだな」


菜津「はよはよー!」


詩恵歌「…はよー」


怜悟「ワガママな嬢様達だこと。

ささっと作るか」


優希「はぁ…しゃーないな。

っと、まずトイレ行くわ」


――――――――――


昼食のサンドイッチ食べながら…


優希「んで?今日の予定は?」


菜津「んぐ?むむむむぐむぐ」


優希「食いながら話すな」


菜津「ん…部屋割り決めてー、

自由時間兼勉強時間でー、

夕飯たべてー、

また自由時間でー、

就寝かな」


怜悟「誰が勉強教えるのさ?」


菜津「かわりばんこでかな」


光「聞いてないよー?」


菜津「今言ったからね」


詩恵歌「…ブーブー」


菜津「初めは私が教えるとして…次の人はテニスで決めようか。

ちょうどテニスコートあるし」


光「まあ…いいかー。

遊ぶ内容も決めてなかったし、遊ぶ物も少ないし」


詩恵歌「…負けない」


優希「2人の成績ってどうだったっけ?」


光「んー?中の上から上の下くらい?」


詩恵歌「…光以上菜津以下」


優希「なんで俺らこの集まりに居られてるんだろな」


怜悟「よせ、肩身が狭く感じるぞ」


詩恵歌「…バランス調整?」


優希「いつもなら2対4じゃねえかよ」


怜悟「それを言うと見た目だけならオレだけ浮いてるんだが?」


優希「誰が女顔だって?」


怜悟「しまった、地雷踏んだ」


詩恵歌「…ユキちゃん」


菜津「ユキちゃん」


光「ユキちゃん」


優希「うぉぉお…ちゃん付けやめろ…鳥肌がたつだろ...。

あ、マジで鳥肌たってる。

ちょっと寒くね?」


怜悟「気のせいだろ」


詩恵歌「…水のボトル、へこんだ」


怜悟「き、気のせいだろ」


――――――――――


昼食を食べ終わり…


菜津「さて、部屋割りだけど」


優希「そういや、廊下を挟んで小さめの部屋3部屋ずつの6部屋と突き当たりに大きい部屋1部屋あったな」


菜津「え、いつ見たの?」


優希「料理前にトイレ行った時」


菜津「ふーん。

部屋割りはくじ引きで決めるよ。

大きい部屋も込みでね!」


光「そういや大きいのは主人用の部屋で、他は客室だったかなー?

とりあえずベッドの質は違うみたい」


菜津「そうなんだ。

さあて、この箱の中に各部屋の鍵があって、紐と繋がってるから各自紐をえらんで引っ張ってー?」


――――――――――


優希「さて、と」


優希は1番の客室、主人用部屋から1番遠い部屋に割り当てられていた。


優希「しかし、結局誰も主人用部屋引かないとはな...」


荷物を部屋に置きながらぼやく。

客室には、小さめのローテーブルが中央に1つ、窓が1つ、窓際にベッドが1つ、まばらにしか本がない本棚が1つあった。


とりあえずベッドに軽く腰掛ける優希。

廊下からはいくつかの足音がドタバタと聞こえていた。


優希「そういや荷物多いやつ居たな」


ドアの開閉音、ドタバタとする足音。

それに混じって、




ぺたり、ぺたり



と、湿ったような足音が聞こえた気がした。


優希「ん、気のせいか?」


気になった優希は立ち上がり、ドアを開け廊下に顔を出す。


菜津「ん?どした?」


顔を出した優希に声をかける、いくつか鞄を持った菜津。


優希「いや、別に。

てかそんなに荷物持ってきてどうすんだよ。

1泊だろ?」


菜津「乙女にはたくさん用意がいるの!

それより、手伝う気はないの?

まだ全員分降ろせてないよ」


優希「へーい、お供しますよ、お嬢様」


――――――――――

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