第2話…授業
今日は体育の実技授業と専門授業がある日。
いつもは要らないのだけど、今日は何となく咲希ちゃんが体育を忘れている気がしたから、体操服を2セットカバンに詰めた。
「ごきげんよう、叶さん。」
「ごきげんよう、咲希ちゃん。」
彼女は私が名前を呼ぶだけで顔を赤らめる、まるで私が好きな人かのように。
それがどうしようもなく可愛くて、毎朝必ず彼女の席へ真っ先に歩き挨拶を交わす。
「今日の体育実技何やるのかな〜。」
やんわり話題に触れてみる。
「……あっ!?今日実技の日だったっけ?」
ほら当たった、そんな気がしたのよ。
「そうよ。体操服貸すわ、何かあった時のために2セット持ってきてるの。」
「さすが叶さんね、それじゃお言葉に甘えて。」
本音を言うと私は人の心が読める、未来も少し。
だから今日咲希ちゃんが体操服を忘れてくるのは80%くらいの確率だったって訳。
彼女の心はいつも澄んでいる。
読めるのは私への敬愛の気持ちと少しの緊張と学習意欲のみ、逆を返せばこれ以外の感情を今のところ読めた試しがない。
生まれて初めてだ、心を読むのに苦戦したのは。
【彼女の負の感情を知りたい】
それが今の私に一番強く芽生えた感情だった。
あぁそう、学校の紹介が途中だったわ。
ここ蘭華学園は、芸能界を目指す者たちが集まっているの。
カリキュラムが少し特殊で、主要5教科は基本学園のネットページで動画を見て課題を提出する感じ。
授業は毎月20日の年10回のみで、10回目の授業では単位認定テストが行われる。
体育の実技授業は今回のように不定期開催で、だいたい10日前にネットページで情報共有がされて原則全員参加よ。
専門教科についても大学みたいな感じ。
まず表での活躍を目指す者が実技科、裏方としての活躍を目指す者が研究科に分かれる。
どちらも共通して業界知学を必修単位としているわ。
実技科では演技を必修単位とし、その他8単位(ボーカル、ダンス、タレントスキル、ビジュアル、ナレーション、舞台、アフレコ、ラジオ)から各自の受けたい授業を選択する。
研究科では社会スキルを必修単位とし、その他8単位(機材、演技、脚本、舞台、映像、ビジュアル、音響、外国語)から各自の受けたい授業を選択する、
私は実技科でボーカル、ダンス、タレントスキル、ビジュアル、舞台、ラジオの計7単位を選択してるわ。
咲希ちゃんも同じく計7単位取っているけど、ラジオの代わりにアフレコを選択しているらしい。
今日はボーカルとタレントスキルの授業がそれぞれ一コマある。
入学して1週間は全単位オリエンテーションだったから、今日が初めてみんなの実力を知る日。
めちゃくちゃ楽しみ、特に咲希ちゃんの歌声が。
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