第21話 報告
表彰。
この国では大きな戦いがあった場合、貢献者が表彰される。
表彰者は大きな場で王から表彰を実際に貰うこととなる。
そこで表彰されれば、表彰者はある程度の権力を保持する事ができいる。
魔人2体。そして3000体を超える猪の襲撃。充分なはずだ。
そこでSランクでない、もう1人の兵士が口を開く
「はっ、、獣人が?」
そう。問題はこれだ。
「その通りです」
「ははは!面白いことを言う獣だな!」
やはりルークを連れてくるべきでは無かったかもしれない。
誰でも分かるように体が震え、怒りを露わにしている。
「そう切れるなって!お前ら獣人が表彰?論外論外!もっと国の事を知ってから来よう!」
振動の回数が増える。
「獣人は、、人類の下」
「おまえッ」
ここで切れれば奴らの思惑通り。
こうやって怒りを揺さぶり少しでも王に背こうとしたならば刑となる。
村長はともかく、子供である彼では、、不味い。
6倍。
ドスッ
強制的にルークを座らせる。
「ゾン、、何故止める」
「、、ここで暴れる事があればあいつらの思う壺だ」
といいながら俺も相当カチンと来ている。
「それはお前が、、」
「落ち着きたまえ」
と王がその場を一括する。
「君も言い過ぎだ。ダース」
「申し訳ございません」
、、、お前もその中の首謀者だろ。もっと早く言うことも出来た筈だ。
笑っている。
多分、獣人は単純だなんて思っているのだろう。
「へっでも良かったな。もしお前がその線を超えていたらお前の首が飛んでいた」
「なっ」
「それで先程の件だが、、私としても受け入れ難い」
「、、、そこまで獣人を差別する国なんですか?」
「!?」
「確か獣人と人類が共存する国、、というモットーでなかったのですか?」
驚いている。
「獣人にしては知っている様だな」
「勿論です」
、、、今俺たちは彼の攻撃範囲にいる。
俺は剣術を10にしている為分かる。いつでも殺せてしまう。
「それに、、ちょっと首元が冷たいですね」
「ほぉ?分かるか?」
そこで彼は口を開く。
「私も剣を極めている者ですから」
「いい会話相手になりそうだ」
とニヤリと笑う。
「王様、、別に良いと思いますよ」
とSランクの彼は言う。
「、、、」
「これで最後にしたらいいでありませんか。ここで表彰すれば他国に獣人と共存しているという事を示す事が出来ます」
「、、そうだな。最近、他国がその事に疑心暗鬼であったからな」
いいムードだ。
「チッ」
もう1人の兵士は口出しできない。Sランクと王子の会話であるからだ。
「それなら、、」
と紙を取り出す。契約書だ。
「読ませていただきます」
、、問題はない。
「ルーク、、サインを」
ふてくされている。
「、、、」
自分の種族を馬鹿にされたから当然か、、
「失礼なのは分かっていますが、、もう一つ宜しいでしょうか?」
「なんだ」
「その兵士からの謝罪です」
「ああ?」
ルークの顔があがる。
「獣人を馬鹿にする様な発言をされていましたよね」
「そんなの」
「確かにダースは言い過ぎだ」
と王は悩む。
「そうさせよう。ダース」
「あ?それはお前らも」
剣が男の首と触れる。
「お前ら、、お前は王に対しても失礼なのか?」
「分かった!分かったよ!すまなかったな」
「ダース」
殺気が凄まじい。俺に当てられた物でないのにも関わらず俺でも恐怖を覚える。
「ひぇ、、」
当の本人はというと完全に体が震え上がっていた。
「申し訳なかった」
「俺に言っているのか?」
「も、、申し訳なかった!」
「、、、」
一件落着だな。
その後ルークは書類にサインした。
そして俺たちは魔人の目と猪の体を王へ献上した。
そして表彰されるその日まで俺たちはこの城の内部で泊まることとなった。
「おおお!」
すっかり機嫌を直した彼はその大きな部屋を見て興奮している。
「壊すなよ」
「勿論!」
といいながら走り回っている。
壊すなよ、、壊すなよ、、
「あっ」
瓶が落ち、、
「ほっ!」
そこをダイビングキャッチする。
「お前、、」
「、、、」
「暴れるのなら外に行け」
「すまん」
ふぅ、、心臓が止まるかと思った。と言っても俺の心臓は偽物だけど。
「ありがとう」
とルークが口を開く。
「?」
「あの時も助けてくれたし、、しかも最後も、、」
「そんな事、別にいいぞ。仲間だろ?」
「、、、」
「それに俺の対応ももうちょっといい方法があったと思うしな。それにしてもよく耐えてくれた」
その後ルークは泣いた。
よほど悔しかったのだろう。獣人を馬鹿にされる事が。
「強くなる」
「?」
「強くなって、、あのSランクも、あのクソ兵士も、みんなみんな倒せるぐらい強くなる!」
「その意気だ」
泣いているのをしばらく慰めていた、、
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こういう話を書くのが苦手で読んでいて気持ち悪かった人も居るかもしれません。
アドバイス等ありましたら言ってください。
それ次第で少し変えようと思います
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