第16話 始まり

「、、、でどうしますか」

と沈黙を破るルーク。

残り1日と期限も無く準備も何もできないなか会議は停滞していた。

「じゃあ、、一つ」

と俺が声を上げると80人程の冒険者達が一斉にこちらへ向く。

「私、拘束系スキルみたいな物を持っているんですけど、、」

「信憑性がない」

という理由で却下された。

と言うかそんな事を言っていたら直ぐに時間は来るぞ。

「えー本当にどうするんですか?」

「いざとなったら逃げるしか、、」

とネガティブな言葉が飛び交う。

「一応、、信憑性を確かめてみますか?」

と1人の冒険者が声を上げる。

「だが、、それが間違っていた場合大きな時間のロスになる」

、、、いやぁ、、この硬直状態の1時間の方が無駄だと思うけど、、

「逃げたらどうなるんでしたっけ、、」

「確か冒険者の位が剥奪されて一生冒険者になれない」

「「「えーー」」」

冒険者を職にする事を目指してきた者にとっては急に別の職に就けと言われても難しいであろう。だからこそ困るのだ。

かと言って進む訳でもない。ただその時間が来るのを待つだけ、、

「やっぱりスキルの実証をしましょうよ」

俺以外にもそれが本当なら使えるというスキルが数個存在した。

それの信憑性が上がれば勝機は見えてくる。

「ですね。そうしましょう」

「だから時、、」

「それなら1人で考えておいてください。こちらは生活が掛かっているので」

「むぅ、、」

という事信憑性の調査に移る事となった。

俺のスキルが本当かを確かめるのは7人。

「では実際にスキルを」

と言われても、、

4倍

「ハァッ!」

バシュッ!

傍観者のギリギリを斬撃が通りスキルが発動する。

「、、、こわぁ、、」

だいぶ無理矢理なやり方であるが、、仕方がない。

これにより相手は拘束された。スキル狂気によるものだ。

「ちょっと、、驚いたじゃないですか!というかその威力を出せるならそれだけでも大丈夫だと思いますけど」

正直この威力でゴリ押したい所であるがその場合もっと怪しまれる事になる。

冒険者以外はダンジョンへの侵入を禁ずるという法律がある通り冒険者にならずにどこでその力をつけたかなどをしつこく聞かれる。

そうなれば面倒だ。出来ることなら穏便に解決する事が望ましい。

「あの、、」

かといって人間の様にイノシシがそれでビビるとは限らない、、だからこそ、、

「俺をその時になったら箱に入れて欲しいです」

この要望を通そう。

他にも信憑性があったのは2つ。

まずは攻撃力を上げるスキル。

そしてもう一つは全員のステータスを上げる応援系スキル。

これを組み立てて実際に作戦を開始した。

---

ドダダダダダッ!

「襲撃!襲撃!」

カン!カン!

その音と共に俺が入った木箱が前線に運ばれていく。次の鐘が合図だ。

「弓部隊用意ッ!!」

ドドドド!

音は迫ってくる。見えない、、少し恐怖がある。

「今だッ!」

カンカン!

ブシャッ!

獣人の心臓をぶち抜く。

「行くぞ」

そしてある心臓をブチ込む。

ある心臓、、それは



巨人だ

「ウォォォォォォォォォォォッ!」

と奥まで響く様に雄叫びを上げる。

身長は肉で付け足した事で70Mもある。

「ブッ!?!?」

その途端狂気が発動し猪達の動きが止まる。

仲間達には事前に「1度だけ巨人になれるスキル」があるとだけ伝えたので殆どが恐怖状態に陥っていない。箱に入ったのは心臓を抜く姿を見られたくなかったからだ。

猪の動きが止まる。

「制限時間は10秒ッ!打てッ!」

そして応援系スキルが発動する。

そしてバリスタで弓を一斉射撃していく。

ピュー

ドドドドドドドドドッ!

そして前線にいた猪は倒される。

その光景を見たイノシシは慄き背を向けて帰っていった。

「成功したぞッ!」

ある程度のイノシシは倒し、あとは追いかえす。

十分な功績だ。これだけ死体があれば追撃したとして見做されるであろう。

「さて、、」

こっそり心臓を抜いて、、

ドンドンドンドンッ!

「なっ」

その時、いきなり4つのダンジョンが開いた。

「フフフッ」

バシュッ!

俺の体はバラバラに切り刻まれる。

「魔人だッ!」

恐怖はまだ終わらない様だ、、


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る